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古文書修補・研修日記109

前回の、朱書と藍書の綴りは、「こより」を縒って結び直し、完成させました。
史料の形態によって、なかなか「こより」を縒る機会がないので(本当は、定期的に縒る練習をしないと、手は確実に縒り方を忘れてしまいます…)、本番の「こより」を縒る前は、必ず別の和紙で「こより」を縒る練習をします。

「こより」の右端を持った右手は動かないように固定し、左手で「こより」を張るようにしながら、左に左に…と指を動かしていくのですが、久しぶりに「こより」を縒ったら、指に力が入りすぎて、左手の筋と人差し指を痛めました…。嘘みたいな本当の、マヌケな話です。
指の痛みがとれたら、少し気持ちを入れ替えて、「こより」を縒る練習をしたいと思います。

新しい修補史料に入りました。
これまではふやけた史料や虫損不開の難史料が多かったのですが、史料の巡り合わせが良いのか、虫損だけの比較的易しい一紙モノ史料が続いています。
新史料

個人的には、できるだけ本紙の現状(風合い)をそのままにしたいので、可能な限り「虫損直し」のみの修補をするようにしています。鉄炮穴の多い史料はなかなか手間がかかるので、裏打ちするのも一つの手なのですが、印刀をうまく使いこなせれば、虫損直しのみできれいに仕上がるのです。いかに目立たないように虫損直しができるか、皺をきれいに伸ばして仕上げることができるか…実は、こつこつこつこつ…好きな作業です。

これから4枚ほど、虫損直しのみの一紙モノを直していきます。
次回は9月20日(水)の予定です。

〈研修日:2017/09/13 後藤恵菜〉

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古文書修補・研修日記108

前回に引き続き作業している朱書と藍色インクで書かれた冊モノ史料は、今日は青インクの本紙を虫損直しし、こよりを裏打ちし、乾燥を待っています。次回、製本の予定です。

今日は、折れ皺と汚れが多く、水損(?)によって紙が弱ったような、ふやけがある状モノ史料の仕上げです・

この史料は先の朱書・藍書の冊モノ史料とほぼ平行で作業していたものです。
一紙モノですが、折れ皺がしっかりついている、少々厄介な史料です。

写真左(↓)のように、皺がしっかりとついている史料は、クリーニングする前に、小筆を使ってできるだけ皺伸ばしをしておくことが重要です。折れ皺の山折れの部分に軽く湿りを加えると、強い皺も少しずつ伸びていきます。谷折れの部分ではなく、山折れの「山」の部分に湿りを加えることがポイントです。

ふやけがある史料は、「ふのり」を使って乱れた(荒れた)和紙繊維を一度落ち着かせてから直す方法がありますが、クリーニングの後、すぐにやや濃いめの糊をかけて虫損直し→裏打ちをする方法もあります。今回は、後者の方法で作業を進めました。

出来上がり(皺の伸び具合など)はまずますかな…と思いますが、完成したもの(写真右↓)を見ると、虫損直しした箇所の白さが目立ちます。直し紙の色は、本紙よりも薄い色であることが最低条件ですが、できるだけ本紙に近い色合いのものを使う方がよいことがわかります。
皺1

次回は9月13日(水)の予定です。

〈研修日:2017/08/23 後藤恵菜〉

古文書修補・研修日記107

新しい資料2点に取りかかりました。

1点目は折れ皺とやや傷みのある状モノ1点。2点目は2枚の状を綴った竪冊の綴です。
1点目の資料は半日かけて皺伸ばし・クリーニングをして、すぐに裏打ちをする…という段取りをとりました。次回、まとめたいと思います。

2点目の資料は、1枚目がすべて朱書・2枚目がすべて紺インクで書かれたと思われるものです(写真左↓)。
朱色と紺色だけで書かれた資料というのは、初めて見たような気がします。

調査時点で色落ちするか、湿らせた綿棒を使って確認をしました。大方の予想通り、朱も紺も色落ちすることがわかりましたので、文字の部分に色止めのスプレーをしてからクリーニングをしました。ほとんどの部分にスプレーをかけたことになりました。

冊モノですが、紙はしっかりしており、大きな欠損もないので「虫損直し」のみで対応してみようと思います(写真右↓)。
彩色
1枚に半日を費やしたので、2枚目(紺字の状)は次回に持ち越しです。1枚目は虫損直しをして、軽い湿りを加えてから皺伸ばしをしておきます。

限られたスペースの中で、効率よく道具を準備して、できるだけ無駄な動きをしないように作業をしています。
頭のトレーニングになりますが、スタッフの皆さんが活動日を微妙に調整しながら参加している状態なので、一度に揃う顔ぶれが少なめ。今年は少しさみしい状況です。作業中のささやかな会話が実は楽しみです。

次回は8月23日(水)の予定です。

〈研修日:2017/08/09 後藤恵菜〉

古文書修補・研修日記106

小口部分が大きく欠損した竪冊資料の完成を目指します。

裏打ちの終わった資料を、1枚ずつ裁断します。
本紙を1枚ずつ折ったら、1枚ずつ「地」を本紙ぎりぎりのところで裁断します。
そのあと、全枚数の縦横の計測をして最大値を出し、その最大値に1ミリを加えた長さで、裏打ち紙の余分な天・左右を裁断します。

4枚の本紙を揃えたら(写真↓)
DSC03633 - コピー
調査票を元に、こよりが結んであったところに穴を開け、2枚ずつこよりを通して結びます。
この資料は状2枚ずつで出来た2点の竪冊(写真左↓)を、さらにこよりで綴ってありました。

本紙の並び方があっているか、事前に撮影した画像で順番を確認したら、(職員さんの最終チェックを受け)こよりを裁断して完成となります(写真右↓)。
DSC03634 - コピー
久しぶりにこよりを3本作り、手がつりそうになりました。

新しい資料は、朱と藍色のインクでかかれた明治時代の冊モノと、紙が弱っている状モノの2点です。
冊モノは色落ちが確認できたので、事前に色落ちを止めるスプレーをしてからクリーニングしました。

次回(8月9日の予定)から新しい資料に本格的に取りかかります。

〈研修日:2017/07/19 後藤恵菜〉

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