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停電・空調不全時の湿度管理について

先日配信した資料館における停電時の湿度管理の問題(9月16日既報)につきまして、当資料ネットに宛てて県内外からいくつものご助言をお寄せいただきました。
その一部を当ネットで取りまとめ、ご紹介いたします。
なお、以下の内容はお寄せいただいたご助言に基づきつつ、当ネットの責任で取りまとめて発信するものです。状況により適切な対処方法は異なりますので、ご留意いただければ幸いです。

資料保管場所における停電・空調不全時の湿度上昇への対処について
・指定物件があれば緊急的な避難が必要
・他の資料についてはトリアージの上対応
→顔料のついている絵画(日本画のようなもの)・皮革製品等は、一時的に別の安全な場所へ移動、あるいは蓋つきのコンテナ(蓋のあるテンバコでも可)に入れてアートソーブで調湿。
→影響の少なそうな出土資料、比較的湿度変化に強い和紙の文書類(特別貴重なもの以外)は後で対応
・市販の除湿剤は自然史系の収蔵庫で使っている例あり
・温度、湿度、酸素のどれかをコントロールして劣化要因を除去することが有効
・シリカゲルの使用が良い
・除湿剤が史料に直接触れなければ問題ないと思われる
・脱酸素剤とともに密閉することで菌の繁殖を抑えることができるとの報告あり
・安定的な対応ができる体制を確保してから短期間で対応するのが良い
------以上
久留里城址資料館5

この他にも、今回の台風被害に関して、県内外から様々なご知見をご提供いただいております。
ご知見をご提供くださいました皆様には厚く御礼申し上げます。

県内の関係者の方でお困りのことがありましたら、当ネットで、ご連絡を取らせていただきながら、差し障りのない形で発信し、情報提供を呼びかけることができます
何かございましたら、ぜひご一報ください。

また、県外の資料ネット・関係者の方から、必要な資材等の提供についてもお申し出をいただいております。
歴史・自然資料への台風被害の対応に必要な資材等についても、ご要望がありましたら、どうぞお知らせください

(小関・記)

台風15号被害 現地報告(君津)②

9/14(土)の君津地域被害状況確認調査の追加報告です。

被害が確認された建物の概要を紹介します。まず、某神社です。
久留里神社
拝殿に向かって左側に立っていた大木が根本から倒れ、拝殿の左半分が大きく潰れていました。本殿は拝殿の奥にありますが、幸いこちらには被害がありませんでした。

亀山神社(↓)は本殿に大木が倒れかかっていました。
亀山神社
建物周辺ではこの1本の木だけが根っこから倒れていました。本殿はやや右へ傾いて建っている状態ですが、周辺も自宅周辺の片付けに追われている様子で、倒木の撤去には時間がかかりそうです。本殿がどこまで重さに耐えられるか心配です。

神野寺。重文の表門(↓)
神野寺
風の強さだけで倒れたそうです。大正6年の台風(千葉県では大海嘯の被害が知られていますが、風の被害も大きかったそうです)でも被害をうけており、今回倒れた柱には「大正八年修補」の焼き印がありました。
この表門は重文指定を受けているので、担当者が入る予定だそうですが、久留里神社の拝殿や亀山神社の被害は文化財指定の部分ではないため、今後どのように修復を進めていけるのか心配です。

久留里城址資料館も、館へ向かう道が大変なことになっていました。
観光客は通常、城の下に用意された一般駐車場で車を止め、そこから15分ほどの急坂を歩いて資料館に行きます。職員の方は資料館まで車で行くのですが、今回の台風のため、現在は職員の方も下の駐車場から歩いて館を往復しなければなりません。これだけでかなりの重労働です。

写真(↓)からわかるとおり、道の途中に折り重なるように木が倒れており、その一部は電線にかかっています。支柱・支線は東電の管轄外で市の管轄となるそうですが、市内の復旧作業が優先されるため、館は停電状態が続いています。
そのため現在も電気・電話・PC等が一切使えず、外部からの通信が途絶えた状態が続いています。事務室ではラジオの音だけが聞こえていました。当分のあいだ、電気の回復した地域の公民館施設などに職員を待機させ情報収集・発信にあたることも検討中とのことでした。
久留里城址資料館3-2 久留里城址資料4-2

電気が止まっているため、収蔵庫・展示室の空調・湿度管理が最大の悩みということでした。台風直後に安定していた湿度も徐々に上昇したとのこと。傾向から考えると更なる上昇が考えられ、また職員は当面、資料に時間を割けないことが予想されたため、ドラッグストアの再開を待って、収蔵庫と展示ケースの中に、市販の除湿剤を置いて取り急ぎ対応したということでした(↓)。この段階で60%まで上昇してきた湿度は除湿剤使用後、57%程度で維持されているそうです。
展示室の空間部分は広いため、除湿剤を設置しなかったそうです。湿度は次第に上昇して70%を超え、機密性が高いために下がらず、日によっては屋外の湿度が50%でも、内部は高いままとのこと。空間部分に資料はほとんどありませんが、展示ケース内へ高湿が影響してしまうため、虫の侵入を懸念しながらも、排煙口を開けて直接外気を入れ、湿度を下げた日もあるということです。
久留里城址資料館②
資料館では除湿剤の成分である塩化カルシウム等が資料に与える影響を心配されつつも、非常措置としてあえて使ってみている、とのことでした。「一時的な措置とはいえ、影響は心配。いずれ測定の必要もある。測定方法や対策を考えたい」あるいは、「広範囲の湿度を調整する他の簡易な方法があれば知りたい」、という声も聞かれ、今回このブログでも発信させていただきました。
市民生活の復旧にかける時間が優先となるそうですが、合間に対応できる簡易で安全な方法をご存じの方がいっしゃいましたら、当資料ネット(chibasiryounet@gmail.com)までお知らせください。館の担当者とは個人メールなら通信可能なときがあるので、お伝えいたします。よろしくお願いいたします。
また、久留里城址資料館は当面のあいだ休館です。

今回の台風による被害情報は、通信手段が遮断されているためなかなか入ってきません。
君津地域をみてまわった印象は、とくにかく「風」による被害→それにともなう「電気系統の不通」が被害を大きくしているのだと思いました。昨年も千葉県では風台風の被害が大きく「塩害」に見舞われました。これまでも、大雨の被害・海嘯の被害はありましたが、風による被害も少なくないのだということを改めて思います。
千葉県におこる自然災害として「風の害」を改めて意識し、これまでの歴史を調べて理解しておくことも、重要な課題なのではないかと思いました。

通信網が復活したら、様々な情報が入り、改めて被害の状況がみえてくると思います。被災された方々に改めてお見舞申し上げるとともに、少しでも現場でご苦労されている関係者の方々のお力になれるよう、資料ネットでもできる限り、被災資料の確認・救援・保護の手伝いをしたいと思います。(文責:後藤) (2019-09-17 17:30 一部編集済・小関)(2019-09-21 一部編集済・小関)

台風15号被害 現地報告(君津)①

 9月14日(土)、台風15号で被害を受けた千葉県君津市の被害状況確認調査をしてきましたので報告いたします。
 参加者は、久留里城址資料館の布施さんの案内で、ネット運営委員小関・立野・後藤、君津在住で当ネット会員の稲葉さんの5名です。

 今回訪れた場所: 某所/久留里神社(浦田)/久留里城址資料館/大日堂(怒田)/大原神社(平山)/藤林青年館/亀山神社(滝原)/黄和田畑青年館/柳城青年館/神野寺

 地域の概況ですが、まず、建物については、若干地域によって差はありますが、どの地区においても、かなりの数の家の屋根が破損していました。特に、古い瓦屋根やトタン屋根のものが目立ち、多くはブルーシートに覆われていましたが、まだ、それもできていない家がありました。また、もともと茅葺き屋根で、それを銅板で覆っていたものの、銅板が大きくめくれ、茅が剥き出しとなっていた母屋もありました。一地区軒並みということはありませんが、全体の被害件数は相当数に達しているものと思われます。なお、ごく一部ですが、倉庫などで全壊しているものもありました。
 道路は、主な道は通ることが可能でしたが、一部通行止めの道もあり、小さな道の場合はまだ通行ができないものも多いと思います。通ることが可能な道でも、おそらく台風直後は大量の土砂や折れ枝、あるいは倒れた樹木の幹で通行が不能か困難だったと思わせる痕跡がありました。多くの樹木が幹の途中で折れていたり、根こそぎ倒れていたりしていました。特に、杉の木がひどいようです。鹿野山付近では、一帯の杉がほとんど折れるか、同じ方向に傾いている林がありました。なお、信号が点滅していない交叉点もあり、停電が復旧していない地区もあります。久留里のセブンイレブンでは、おにぎり・弁当類やパンなどがほとんどありませんでした。

 本日の当初の目的は、某所の資料を救出することでしたが、所有者のご判断で延期となりました。場合によっては、要請があるかもしれませんので、その時には可能ならば対応できる人は現地へ行けるようできればと思います。
 次に久留里神社ですが、拝殿の部分に杉の巨木が倒れかかり、屋根がつぶれひどく破損し、それを業者の人が伐採したりして、除去する作業をしているところでした。
 また、同じように拝殿にやはり杉の大木が倒れかかっていたのが亀山神社です。ただ、こちらは、屋根がつぶれず、その上に杉がのっかった状態でした。大日堂と大原神社の建物は無事でした。ただ、大原神社の場合、かなりきわどいところで、境内に社殿建築用に植えられていた多数の杉の木のかなりの数が折れていました

 次に青年館に行ったのは、区有文書や仏像などが保存されている所です。このうち黄和田畑青年館には、かつて房総史料調査会が整理した黄和田畑区有文書が保存されています。館に近づくと、屋根にブルーシートがかけられていてひょっとしたら被災と思われましたが、布施さんが建物の中の保存場所をご存じで、きわどいところで、雨漏りなどの被害は免れているようでした。柳城青年館は、屋根がすっかりなくなりブルーシートがかけられていて、中をのぞくことができました。どうやら、区有文書などは事前に近接する自治会館に移されていたようで、中に残されてはいませんでした。

 時間的には戻りますが、久留里城址資料館について述べます。ご存じのように、同館へ伺うには、城下の駐車場から坂道を歩いて登っていくのですが、両脇の樹木が多数倒れ、道をふさぎ、通行不能ではありませんが、非常に困難な状態です。また、途中斜面が樹木が倒れたことにより崩壊しているよう箇所もありました。天守閣へ行く道には、ひび割れも生じていました。館自体は被害がなかったのですが、下から館へ到達する電線が寸断され、館は停電中です。そのため、当面休館するということです。ただ、このことが知られていないようで、今日も何組か観光客が来ていました。館は停電中なのですが、職員は様々な片付けのため出勤していました。また、収蔵庫や展示室の湿度調整に苦慮されていて、大量の除湿溶剤を購入し、各所に配置していました。

 最後に赴いたのが神野寺でした。実は、布施さん方で同寺の表門が倒壊したという情報をお持ちでしたからです。向かった最初のルートは通行止めで大きく迂回して反対側から登っていきました。山門と本堂は無事のように見えました(裏から見ると山門の瓦屋根が破損していました)。しかし、国の重要文化財に指定されている表門は情報通り倒壊していました。木が倒れたりしたせいではなく、暴風のためということでした。副住職の方に話を聞くことができ、大正6年以来の大被害ということでした。なお、その背後の奥の院や庫裏なども一部破損していました。また、宝物館自体は無事で、13日に県博協から照会があったようです。

 以上、思いつくままに記述しました。まず、寺社の建物が心配な状態です。今日伺ったなかでも無事なところもありましたが、風や倒木で倒壊・破損しているところがほかにもあるかもしれません。また、古い建物の青年館や自治会館・仏堂などはさらに破損の可能性が強いと思います。民家も屋根が破損した家が多く、中には旧家と思われるものもありますので、歴史・民俗資料が被災している可能性があります。布施さんの方で市内に被災した史料がある場合の情報提供を呼びかける予定とのことですが、当会としても情報発信を行っていく必要があると思います。
(文責:立野)(2019-9-20一部修正済・小関)

台風15号の被害状況⑧

NPO法人ちば・生浜歴史調査会様より、11日の情報でお知らせした旧生浜町
役場庁舎について、状況の詳細をお寄せいただきました。

・屋根については(11日既報)、正確には、主屋根の東側端の洋瓦が20枚以上
飛び、約10枚が落下、残りは屋根の上に引っかかった状態である。

・西隣から屋根のトタン板が数枚飛んできたが、奇跡的にガラス窓には当たらな
かった。

・ガラス窓の戸走りの内側の雨じまいが1・8mmと浅いため、雨水があふれて
民具の莚や俵が濡れ、現在、天日干しで乾燥している。

・展示ケースの内側のフエルト張りもかなり水濡れしたため、陰干ししている。
 
・昭和7年建造の洋風木造の庁舎がこうした被害を受けるのは、今回初めてだと
思われる。

・今後、被災の現状記録をしっかりと取っていく予定。

支援協力のお申し出②

本日配信の「宮城資料ネット・ニュース347号」にて、被災地域へのお見舞いと支援実施の検討の表明、千葉資料救済ネットのブログの紹介をいただきました。
また、NPO法人歴史資料継承機構じゃんぴん様からも支援のお申し出をいただいております。
宮城資料ネット・歴史資料継承機構じゃんぴん関係者の皆様には厚く御礼申し上げます。

勉強会の中止について

当ネットで17日(火)に予定しておりました勉強会ですが、台風の影響の大き
さを考慮して、中止とさせていただきます。
参加を予定していただいていた皆様には誠に申し訳ございません。

なお、同日には、運営委員により、現地訪問による被害の現状確認を実施するこ
とを検討しております。
その際、少人数になりますが、現状確認にとどまらない資料救済等の作業・助言
をすることも可能です。
支援が必要な場合は、遠慮無くご一報ください(可能であれば16日午前中までに
いただけると助かります)。

台風15号の被害状況⑦

本日お寄せいただいた情報についてお知らせいたします。

○13日午後にお寄せいただいた情報
・習志野市では、市庁舎内で保管している市所蔵資料に被害は無く、指定文化財
の古民家「旧大沢家住宅」「旧鴇田家住宅」「正福寺の大イチョウ」にも大きな
被害は見受けられなかった。
・市内の神社等については確認中、今のところ境内の倒木などが見らるが、建物
への被害は認められていない。

・千葉市緑区では、昨12日夜から今朝にかけて、土気~誉田辺りの停電は復旧し
た模様。
・土気の中でも古い集落については、昨12日の時点では復旧しておらず、井戸水を使用しているため、断水も生じている。

県外資料ネットからの支援協力のお申し出に感謝申し上げます


12日までに、神奈川・宮崎・神戸の各資料ネット・関係者の方から、今回の台風15号の被害対応に関連する支援協力について、お申し出をいただきました。

千葉資料救済ネットとしても大変心強いことで、関係各位のご厚意に対し、厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございます。

引き続き連携して対応して参りたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

台風15号の被害状況⑥

昨日までにお寄せいただいた千葉県内の災害関連情報についてお知らせいたします。

○12日夜にいただいた情報
・船橋市では、郷土資料館収蔵および民間所在の文書資料は、現時点で被害が確
認されていない。近年資料借用・調査のやり取りがあった資料所蔵者には、郷土
資料館が電話で直接確認している。

・郷土資料館・飛ノ台史跡公園博物館が管理している考古資料についても、現時
点で被害が確認されていない。

・郷土資料館所蔵の民俗資料のうち、館外の収蔵庫で保管している木製品の数点
に水濡れ・カビ発生を確認。ドアの隙間からの浸水によるものと考えられる。職
員がカビを除去したが、後日再度資料の状態を確認する。

・市内の神社から、社殿の一部に被害が見られ、修理をする予定であるとの連絡
あり。文化課現地確認済。


一部被害があるも、迅速に対応されているとのことです。

台風15号の被害状況⑤

本日午後にお寄せいただいた千葉県内の災害情報についてお知らせいたします。

○12日午後にお寄せいただいた情報
・千葉市では、徐々に停電が解消している若葉区・緑区の中でも、江戸時代から
の集落ほど復旧が遅れている。こうした地域は道路などへの倒木や枝葉の散乱も
あり、現在の生活も心配な状況にある。
→東金市でも類似の状況をお知らせいただいております。古い集落の復旧の遅れ
があるとすれば、資料ネットとして何らかの取り組みを考える必要があるかもし
れません。
・旧生浜町役場庁舎で水に濡れた資料(既報)はコピーのようで、旧生浜町役場
文書の原本は千葉市郷土博物館が所蔵している。13日に千葉市が詳細を確認予定。


資料ネットでは、資料に止まらない各地の個別具体的な地域状況の把握と差し支えない形での発信も、災害時に非常に重要なことだと考えております。
今回の台風被害に関してご提供いただき発信した情報の中にも、資料に止まらない被災状況が含まれており、千葉資料救済ネットとしては、今後も可能な限り把握と発信に努めたいと思います。

Appendix

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千葉資料救済ネット

Author:千葉資料救済ネット
本ネットは、災害などによって
歴史・文化・自然資料への悪影
響が県内で起こった時に、資料
救済活動をスムースに推進する
ために結成されました。
歴史・文化・自然資料に興味・
関心を持つ人々の連携を推進す
ることによって、有効な救済活
動を実現することを目的として
います。

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