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古文書修補・研修日記107

新しい資料2点に取りかかりました。

1点目は折れ皺とやや傷みのある状モノ1点。2点目は2枚の状を綴った竪冊の綴です。
1点目の資料は半日かけて皺伸ばし・クリーニングをして、すぐに裏打ちをする…という段取りをとりました。次回、まとめたいと思います。

2点目の資料は、1枚目がすべて朱書・2枚目がすべて紺インクで書かれたと思われるものです(写真左↓)。
朱色と紺色だけで書かれた資料というのは、初めて見たような気がします。

調査時点で色落ちするか、湿らせた綿棒を使って確認をしました。大方の予想通り、朱も紺も色落ちすることがわかりましたので、文字の部分に色止めのスプレーをしてからクリーニングをしました。ほとんどの部分にスプレーをかけたことになりました。

冊モノですが、紙はしっかりしており、大きな欠損もないので「虫損直し」のみで対応してみようと思います(写真右↓)。
彩色
1枚に半日を費やしたので、2枚目(紺字の状)は次回に持ち越しです。1枚目は虫損直しをして、軽い湿りを加えてから皺伸ばしをしておきます。

限られたスペースの中で、効率よく道具を準備して、できるだけ無駄な動きをしないように作業をしています。
頭のトレーニングになりますが、スタッフの皆さんが活動日を微妙に調整しながら参加している状態なので、一度に揃う顔ぶれが少なめ。今年は少しさみしい状況です。作業中のささやかな会話が実は楽しみです。

次回は8月23日(水)の予定です。

〈研修日:2017/08/09 後藤恵菜〉

古文書修補・研修日記106

小口部分が大きく欠損した竪冊資料の完成を目指します。

裏打ちの終わった資料を、1枚ずつ裁断します。
本紙を1枚ずつ折ったら、1枚ずつ「地」を本紙ぎりぎりのところで裁断します。
そのあと、全枚数の縦横の計測をして最大値を出し、その最大値に1ミリを加えた長さで、裏打ち紙の余分な天・左右を裁断します。

4枚の本紙を揃えたら(写真↓)
DSC03633 - コピー
調査票を元に、こよりが結んであったところに穴を開け、2枚ずつこよりを通して結びます。
この資料は状2枚ずつで出来た2点の竪冊(写真左↓)を、さらにこよりで綴ってありました。

本紙の並び方があっているか、事前に撮影した画像で順番を確認したら、(職員さんの最終チェックを受け)こよりを裁断して完成となります(写真右↓)。
DSC03634 - コピー
久しぶりにこよりを3本作り、手がつりそうになりました。

新しい資料は、朱と藍色のインクでかかれた明治時代の冊モノと、紙が弱っている状モノの2点です。
冊モノは色落ちが確認できたので、事前に色落ちを止めるスプレーをしてからクリーニングしました。

次回(8月9日の予定)から新しい資料に本格的に取りかかります。

〈研修日:2017/07/19 後藤恵菜〉

古文書修補・研修日記105

昨日の今日ですが、今日は作業写真をちゃんと撮って、ちゃんと保存したので、おさらいしてみます。

もともとは竪冊ですが、小口(冊モノの、綴じと反対にあたる部分)が大きく欠損している資料です。
綴じをはずすと、一枚の状が半分に分かれてしまいます。

縦の長さが8寸とわかるので、「諸国紙名録」などを参考に、横は1尺1寸程度と推測できます。
その他の諸条件から、横を34.5㎝とすることにしました。

カッターマットにポリエステル紙を置き、マットのマス目を利用しながら片方の位置を決め(写真左↓)、それを元に残りの1枚の位置を決めていきます(写真右↓)。
位置決め
通常の裏打ちではレーヨン紙でサンドされた状態のクリーニングされた本紙をポリエステルに乗せ、刷毛で濡らしてからレーヨン紙をはがしますが、今回は乾燥した状態でレーヨン紙をはずし、乾いた状態の本紙をマットのうえで動かしながら位置決めをしました。表面を上にし、文字の位置などを確認しながら位置決めをします。

ポリエステル越しに適度な湿りを加え、薄糊をかけたあとポリエステルをはずし、大きく欠損した中心部分に足し紙をします(写真左↓)。本紙と多く重なる部分の足し紙はむしりとります(写真右↓)。
むしり
竪冊なので、天地にも足し紙をしておきます。

今日は残っていた1枚の裏打ちと、こより3本の裏打ち作業を済ませました。
次回、余分な裏打ち紙を裁断し、平面のうちにコピーをとって製本作業となります。

次回は7月19日の予定です。
〈研修日:2017/06/28 後藤恵菜〉

古文書修補・研修日記104

トラブルがあって、更新が遅れました。
作業写真をカメラから外付けHDに移した直後、HDが壊れてしまい…今まで撮りためた画像が半分ほど失われてしまいました。
そのショック…というのは言い訳ですが、どうにか復元できないかと試行錯誤していたら、ほぼ一週間たっていました。
失われたデータ諸々の復元はあきらめました…。

写真がないと、作業の様子がわかりにくいのですが、簡単にまとめておきます。
状4枚を2枚ずつ綴じて、一緒にした竪冊の資料を修補しています。
小口(輪になっているところ)が破損していて、こよりをはずして解体すると、ばらけてしまう状態です。

クリーニングしたあと、カッターマットのマス目を頼りに、本紙の縦の長さから推測できる本紙の大きさを割り出し、
本来の大きさにあわせて、ばらけた左右の本紙を定位置においていきます。
中央部分が欠損しているので、そこには大きめの足し紙をし、本紙と多く重なる余分はむしりとっていきます。
その他の虫損も穴埋めし、裏打ち紙を貼ります。
最終的に、竪冊になるので、天地にも足し紙をしておき、補強します。

次回(もはや、明日)、最後の1枚を裏打ちし、こより3つの裏打ちをする予定です。

〈研修日:2017/06/21 後藤恵菜〉

古文書修補・研修日記103

両面に文字がある状モノ資料です。
裏打ち紙を貼るわけにはいかないので、両面をひっくり返しながら、虫損直しをしました。
直しが終わったら、軽い湿りを加えて皺伸ばしをしますが、1度目はうまくいきませんでした。虫損が大きかった部分に皺が寄ってしまい、それが周辺にも伝わって、きれいに伸びません。

先生の指導を受けながら、再度湿りを加え、皺伸ばしをします。
大事なポイントは、虫損の大きな場所=皺が強く出る場所に、最初に少しずつ湿りを加えること
そのあと、全体に湿りがいくように、状を持ち上げて紙自体を軽くゆするようにして、均等に水分を広げて行きます。
そのような作業を、少しずつ、何度か繰り返したあと、平らな段ボール紙にサンドして乾燥させます。おもしをしっかり乗せます。
やり直しの結果、ほぼ皺はきれに伸びました(写真↓)。
両面虫損1
虫損直しがほぼ直ると、ささいな(?)皺も気になります。

続いて、小口(冊モノの、閉じと反対のほう。輪のほう)が欠損している冊モノの修補です。
調査記録をとり、綴じていたこよりを解いたあと、1枚ずつクリーニングしていきます。
輪になっていた状を開くと、中心部分が欠損しています。竪の長さを測ると約8寸。この長さから標準的な横の長さが1尺1寸であることが推測されます。
マス目のあるカッターボード(かつては渋紙を使っていましたが、最近はこのカッターボードを利用しています)を基準に、ポリエステル紙の上に、まず片側の状をおき、横幅が1尺1寸になるように測って、対になる片割れを置きます(写真↓)。
センター欠
乾燥したら、中央の欠損部分を埋める足し紙を用意し、虫損直しをしたあと、裏打ち紙を貼ります。

冊モノは、本紙の直しだけではなく、冊を綴じていた「こより」もクリーニングして再利用します。裁断・製本と作業が多いので、久しぶりに緊張します。

今日は本紙4枚のクリーニングを終えました。
今回の資料は2枚ずつの竪冊2冊が合冊されているので、「こより」が3本あり、うまく綴ることができるか心配です。

次回の作業は6月21日の予定です。
〈研修日:2017/06/07 後藤恵菜〉

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