今年度最後の研修です。前回の続きで、「虫損不開」という類の資料を開き、修補する作業に取り組んでいます。虫損甚大で、紙自体が弱いため、「ふのり」を使うことにしました。下記上段のような状態の資料を、慎重に広げポリエステル紙でサンドし、湿りを加えて伸ばします。ポリエステル紙は一度湿らせ、余分な水気をとっておき、その上に資料を乗せます。ポリエステルの水気が多いと、資料を置いた時点で紙同士が吸着してしまい動...
2週間あいてしまった修補作業は、前回終わらなかった新資料の調査(開披)作業から始まりました。下の写真のような資料に取り組んでいます。資料調査あるいは古文書の目録採りをした経験のある方なら、この資料は「虫損甚大につき不開」として、現状のまま静かに封筒に戻す類いのものではないかと思います。資料館の試みとして、このような「不開」扱いとなっていた資料を、あえて修補してみる、ということになり、今、多くのスタ...
こんにちは。千葉資料ネットワークの一牛です。春の陽差しが暖かくて嬉しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。さて、この「ネットワーク通信」は会員相互の交流をはかり、また、資料ネットを広く世間の方に知ってもらうために行うもので、会員が交代で簡単な文章をブログ・ML上に発信し、それをリレー形式でつなげていこうというものです。第19回目のリレー走者は、東秩父村教育委員会 井上知明さんです。よろしくお願いいた...
2017年度総会・勉強会を下記の通り開催いたします。多くの方のご参加をお待ちしております。*******千葉歴史・自然資料救済ネットワーク勉強会・2017年度総会のご案内今回の勉強会では、長年にわたり、睦沢町立歴史民俗資料館に勤務され資料保全に取り組まれるとともに、千葉資料救済ネットの運営にご尽力いただいている久野一郎氏より、資料救済と地域博物館の使命についてご講演いただきます。勉強会を通じて、地域にのこ...
午前中は2点の状モノ資料に取り組みました。2点とも虫損直しのみ、の作業です。そのうち1点は、虫損(鉄炮穴)以外に、写真左のような裂損がありました。この裂損には、前回のブログでも紹介した国立公文書館の方に教えていただいた直し方を実践してみました。裂損の状態は、切り口の右側が上にくるような形で切れていることがわかりました。そのため、右側の切り口の裏面に固糊をつけ、まずは切り口を貼り合わせます。そのまま...