前回から取り組んでいる、下半分が欠損した資料の続きです。2枚に分離していたものをそれぞれ「ふのり」をかけて乾燥させた後、乾いた状態でポリエステルをはずし、固糊で2枚を接合させました。下部の裂損部分が薄くなっており、紙自体が少々弱くなっています。本紙を5寸5分の半紙と推測し、欠損している部分に足し紙をします。本紙(0.06ミリ)と同じ厚みの和紙を用意し、残っている本紙の縦の長さ+足し紙=5寸5分(+α)...
長らく手こずっていた「虫損不開」資料の仕上げです。面積が広い資料は虫損が多く、思いのほか紙自体が弱っていました。「ふのり」をかけましたが、その後薄糊をかけてポリエステルをはがし虫損直しをする段階で、さらにぽろぽろと繊維がポリエステルについてきてしまいました。正直なところ、破損を拡大してしまいました。前回も反省として記しましたが、本当に状態が酷く修補の技術が未熟な場合は無理をせず、「ふのり」をかけて...
白井市郷土資料館では、4月1日~30日まで、市民学芸スタッフが修補した被災資料の展示を行っています。これは、2011年の東日本大震災で被災した宮城県石巻市の被災史料5点を、宮城歴史資料保全ネットワークの依頼でお預かりし修補したものです。お預かりした当初は4点だと思っていたものが、修補作業の段階で実は5点あったことがわかったほど、圧着して状態の悪いものでした。お近くにお出かけの際は、ぜひお立ち寄りく...
新年度を迎えました。今年も白井市郷土資料館で古文書修補作業に、研修生として参加させていただきます。よろしくお願いします。前回の続きで、「虫損不開」資料の修補を続けています。「ふのり」で固定させた資料に、虫損直しと裏打ちをする作業にとりかかりました。「ふのり」をかけ、ポリエステルで挟んだまま乾燥させた資料に、ポリエステルの上から両面に湿りを加えます。その後、虫損直しをする裏面を上にして、ポリエステル...