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古文書修補・研修日記31

今日は4点の資料を修補しました。
①前回クリーニングをした状モノを虫損直しして裁断・終了
②③前回裏打ちした状モノを裁断・終了
④新規の状モノの調査書を書き、クリーニングから一気に裏打ち・乾燥まで。

今回は、この①の作業を少し丁寧にまとめておきたいと思います。

状モノで、本紙が比較的しっかりしており、虫損や裂損が少ない場合は、クリーニングをしたあと、「虫損直し」のみします。逆に、本紙が劣化している(ふやけていたり、虫損が非常に多い)場合は、「虫損直し」をしたあと、本紙の裏面に裏打ち紙を貼って補強する、という「裏打ち」作業をします。
「虫損直し」のみでも、「裏打ち」でも、必ずクリーニング作業はします。
また、「裏打ち」をしなくても、必要があれば天地・左右に「足し紙」(欠損しているところに帯状にした和紙を補強して貼る)をします。四方の補強はある程度必要です。

「虫損直し」と「裏打ち」の違いの一つは、クリーニングした資料からレーヨン紙をはがすときにあります。
「虫損直し」の場合は、乾いた状態でレーヨン紙を剥がしますが、「裏打ち」する場合は、レーヨン紙に湿りを加えてから剥がします。

しっかり乾燥した資料からレーヨン紙を丁寧に剥がします。
「虫損直し」をするときに使う糊は、本紙につけたとき、滲まない程度のゆるさが目安です(かなり固め)。水分を多く含む糊を使うと、和紙が水分を吸収して伸縮してしまうからです。

本紙よりやや薄い「直し紙」(和紙)を用意し、小刷毛で虫損箇所に糊を付けたあと、印刀という刃物を使って虫穴に「直し紙」をあてながら虫穴を埋めていきます。

水分を少なめにした糊を使っても、どうしても本紙に水分が滲み、「虫損直し」をしたあとがつってしまう(写真↓)ので、「虫損直し」が終わると、ポリエステルで資料を挟み、適度な湿りを加えてから、平らな中性紙にサンドして資料を平らにならします。
@虫損直し

実は、つい最近まで、この「ポリエステルで資料を挟み…」という手順を、私は踏んでいませんでした。
この手順を踏むと、資料はほぼ完全に平らになります。今更ですが、できあがりがきれいなので、感動します(写真左が波打った状態→ポリエステルでサンドして湿りを加えた状態→平らになった状態)。
撚れの補正


今までその作業を知らずに「虫損直し」されていた資料さん、すみません。

印刀がまだまだ上手に使えませんが、焦らず、丁寧に、ちょっとずつ穴を埋めていく…ということを続けて行こうと思います。

来週は都合で修補をお休みします。次回は3月18日の予定です。
〈研修日:2015/3/4 後藤恵菜〉
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