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古文書修補・研修日記35

仕事の都合で、1ヶ月ほどお休みしてしまいました。
久しぶりの修補は、前回裏打ちした資料の裁断を2点。

 続いて、新規の資料(裏張り資料の断簡)に入ります。
準備
 真ん中にある、文字の書かれた短冊のようなものが、今回修補する資料です。その右側に、資料を保管する中性紙封筒(白井では二重封筒にし、資料を出し入れするときの摩擦を少なくしています)。その上にあるのが調査用紙です。これには、資料の大きさや厚み、押印の有無、彩色の有無、資料の状態(破損・虫損など)などを記載します。
 一番左にあるのが、レーヨン紙。資料をクリーニングしたあと、汚れを吸着させるために資料の両面に貼り付けます。資料の大きさに対し、前後左右約1.5㎝ずつ大きいサイズを用意します(写真ではちょっと長すぎるので、実際は小さくしました)。
 その右隣にあるのが「足し紙」です。写真ではわかりにくいのですが、資料本体の右側が少し凸凹に裁断されていたので、そこを補うために、本紙より少し薄めの和紙(本紙が0.10だったので、0.09の厚みの和紙)を用意しました。
 これ以外に、ポリエステル紙や目打ち、ピンセットなどを用意します。
 ちなみに、「足し紙」は、資料の端の弱い部分を補強することが第一ですが、それ以外に、修補前から文字が切れている資料にあたった場合、「足し紙」をして余白を作ることにより、「文字が切れているのは、修補で誤って切ったのではない」という証明にもなるということを、教えていただきました。

 修補では、刷毛の手入れも大事です。白井では各スタッフさんに、水刷毛・糊刷毛・撫で刷毛を3本1セットで用意してくださっています。それぞれの刷毛に番号をつけ、各自が専用の刷毛を手入れして使います。
刷毛の手入れ
写真で使っている道具は、犬の毛繕いなどに使うブラシです(100円ショップなどで買えるもので間に合います)。修補した和紙に、刷毛の抜け毛が付着しないように、刷毛を使う前に、必ずブラッシングをします。また、糊を使った刷毛(糊刷毛と撫で刷毛)は、使った後、お湯でしっかり糊を洗い落とし、乾燥させます。糊の落ち方が不十分だと、カビが生える原因になります。

 しばらく、仕事の都合でお休みが多くなりそうなので、次回は同じ週の土曜日にも参加させてもらうことにしました。
 次回は、今日クリーニングした資料の「虫損直し」(裏打ちはしません)。そして、今日の午後からさらに追加でいただいた「重なり文書」にとりかかります。「重なり文書」については、次回以降、作業内容を紹介していきます。

〈研修日:20150513 後藤恵菜〉
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