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古文書修補・研修日記36

土曜日の修補活動に参加させてもらいました。
今日は、前回クリーニングした資料2点の「虫損直し」からです。
「虫損直し」は、虫穴を埋めるだけなので、本紙が完全に乾燥してから作業にとりかかります。主な道具を紹介します。虫損直しの道具
赤いシートは虫損直しに使うプラスチックシートです。虫穴が見やすいように、色の濃いシートを使用しています。
右上から時計回りに道具を紹介します。
丸いプラスチック容器に入っているのが、虫損直し用の固糊です。その下右から、糊を付けるための小刷毛、ピンセット、目打ち、印刀(いんとう)。印刀は直し紙(和紙)をちぎるときに使います。その隣が、今回直す本紙で、写真はレーヨン紙にサンドした状態のものです。その左の細長い紙は虫損を直すための「直し紙」で、本紙より薄い0.08のものを用意しました。その左にあるのが、本紙の端が凸凹になっているところを補うための「足し紙」で、これも本紙より薄い0.08のものを用意しました。
完全に乾燥した本紙から、レーヨン紙を丁寧にはがし、小刷毛と印刀を使いながら、虫穴を直していきます。
固めの糊を使用し、できるだけ虫穴以外に余分な水分が浸みないように注意しますが、どうしても虫穴周辺に皺がよってしまう場合は、最後に本紙に少し湿りを加え、軽く重しをして本紙を伸ばすようにします。
最後に余分な直し紙を裁断して終了です。

次の新しい資料は、白井で「重なり文書」と定義した、裏張りに使われていて複数の資料が重なった状態でとれた塊の文書です。
重なり文書<br>重なり文書スケッチ上の写真が、これから取りかかる「重なり文書」です。これを、調査票に記録しながら(写真下)、1点ずつに分類していきます。資料調査の最初に行う「現状記録」の要領で作業していきます。

来週は、また都合で修補研修は休みます。再来週の研修日記で、この「重なり文書」の作業について、もう一度整理したいと思います。

〈研修日:20150516 後藤恵菜〉
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