2週間ぶりに古文書修補に参加しました。
前回、「重なり文書」を少し紹介しました。
調査時点、目視と簡単な確認で(資料を破壊しないように)分類したときは7点の状が重なった状態であることがわかりました。
ところが、1番上にあった、一見状モノを折りたたんだ資料(だと思っていたもの)は、実は短冊状態の状モノ4枚が重なっていたので、いきなり枝番号がずれることになりました。
今回の方針は、まず①1点モノの資料、②複数にわかれているがあわせて1点(に近い状態)になる資料、③紙片(おおむね3㎝以下)、という3段階に分けます。
クリーニングのため資料を濡らしてみると、本紙に張り付いていた紙片が剥がれてきたりします。これにも①②の資料に付けた枝番号の続き番号を付与していきます。資料を解体してしまえば、その後の作業はいつも通りなのですが、今回はとくに調査表の記録もマメにしていかなければいけないので、なかなか大変です。
私のような「研修生」には、どのような修補も勉強(修行)ですが、今回のような「重なり文書」には、実に様々なパターンがあり、判断に迷うことが多々あります。
「紙片」はどのように、どこまでとっておくべきなのか?
本紙でさえも、裏張りの材料に使われたため、裁断されています。完全な一紙で出てくることは稀です。その「断簡」に近い資料に足し紙をして裏打ちする、というのはどうなんだろう…。
あくまでも個人的な意見ですが、こと「裏張り資料」については、クリーニングした後、虫損直しをせず、とりあえず「裏打ち紙」を貼るだけ、という処置でもいいのではないかと思います。皺が伸びれば、他の前後欠資料や断簡資料との照合はし易くなります。もし接合できる資料がみつかったら、その時点でちゃんとした修補(虫損直しなど)をしても、十分なのではないかと思いました。ただ、その接合作業をするには、今度は「古文書をある程度読む」ことが必要になってくるかもしれません。古文書修補作業も奥が深く、状況に応じた対処法をその都度考えるはなかなか大変です。
…と言いつつ、1点の資料に集中している時間はとても充実しています。
〈研修日:20150527 後藤恵菜〉
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