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古文書修補・研修日記40

今日の午前中で、長らく取り組んでいた「重なり文書」の一つが終わりました。
「重なり文書」の扱いについては、資料館でも試行錯誤しながら作業を進めており、修補作業もケースバイケースで行ったので、記録はここまでとします。

さて、午後から新しい資料に取りかかりました。状2枚で一つのまとまりと判断された資料です(写真↓)
【写真①】全体
実はこれも、これまでの資料と同様、額縁の裏張りとして使われたものです。ただ、事前の整理段階で、おそらく同類の資料だろうと判断されたので、2枚一組で修補することになりました。

よくみると、この資料は本来「横冊」だったものを、横に裁断して裏張りに利用したものであることがわかります。写真①の下段資料には、右下に折った跡があります(写真↓)
【写真②】部分

もし、この資料が「裏張り資料」でなかったら、この2枚の資料は、以下のような作業をすることになります。

横冊は、半紙判(あるいは美濃判)のような一枚の和紙を横長に折って、輪を下にし束ね、右側を綴じて使います。
今回の資料は、どちらの資料も下半分がなくなっている(紙の残り具合から判断できます)ので、この縦の長さをほぼ2倍にしたものが、本来の和紙の、縦の長さということになります。和紙というのは、縦横の大きさが概ね決まっているので、縦の長さがわかると、横もほぼ検討をつけることができます。この資料は、縦がほぼ4寸だったので、縦の長さは倍の約8寸。すると、横はおおよそ1尺1寸の半紙判だろうと判断できます(半紙の定型サイズは縦8寸2分×横1尺1寸)。このサイズをもとに、明治10年に出版された「諸国紙名録」を使うと、紙の産出地まで調べることができます。

重複しますが、もしこの資料が「裏張り資料」でなければ、2枚の資料は縦8寸2分の半紙判と考えられるので、欠損している部分に足し紙をし、半紙の大きさで裏打ちをして保管する方法がとられます。

ただし、今回の資料は「裏張り資料」なので、今後、他の断簡を整理したとき、欠損部分と接合できるものが出てくるかもしれません。そのため、修補するときは、今残っている大きさに合わせて修補したほうがよい、とのことでした。

来週の修補は、資料館の行事でお休みです。
今回は、クリーニングと裏打ちまで行いました。次回、資料の大きさにあわせて裁断します。その後、また「重なり文書」に挑戦します。

〈研修日:2015/07/08 後藤恵菜〉
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