今月20日(木)に、白井の郷土資料館で「大福帳作り」講座が開催されるので、修補スタッフの方が「大福帳作り」を予習することになりました。私も参加させていただきました。
先月の資料ネット勉強会で、「こより結び」を体験する時間がありましたが、その中の一つに、実は「大福帳」を綴じているこよりの結び方を学ぶものが含まれていました。先月体験したばかりだったので、今日はいい復習の機会になりました。
ごく簡単にではありますが、大福帳作りの流れをご紹介します。
まず、大福帳を綴じるための「こより」を2本用意します。
幅はおよそ2㎝くらい。長さは、大福帳の(短い方の)幅×2倍+綴じしろの長さ×2倍αです。和紙から「こより」を作る分を切り出しますが、和紙には縦横があります。和紙は縦に引っ張る分には強いのですが、横には弱いので、「こより」用には、和紙を縦にして長く切り出します。
「こより」を作るとき、ちょっとしたコツがあります(横山先生発明)。
まず、右端の角を下から上の線にあわせて折ります(写真左端)。その折れ線を、さらに上の線に合わせて折ります(写真左から2番目)。その折れ線に鉛筆で線を引くと、写真左から3番目のようになります(慣れてきたら、線を引く必要はありません)。この、上のほうに引いた長い線の角度にあわせて、「こより」を縒っていきます。到着点の左端は、右端の折り方とは逆に、左上の角を下の線に合わせて折り、その折れ線をさらに下の線にあわせて折ります。「こより」を縒っていき、最終的にこの左端の長い方の線と平行になるように目指します。最後は、写真右端のように、きれいな三角形ができれば成功です。

続いて、大福帳の本体となる紙を用意し、半分に折ります(講座では画用紙を使います)。そのほか、目打ち・目打ち台・カシヤ(目打ちを叩く木の棒)・物差し・コツ(紙が直角に揃うように整える道具)を用意します。
綴じ穴は、綴じしろ分がおよそ2㎝くらい、大福帳の幅四分の一くらいのところに2か所開けます。
本紙のうえに物差しを押さえとして置き、目打ちとカシヤを使って穴をあけます。

綴じ穴に「こより」を通し、2本のこよりをそれぞれ右にひねりながら、右のこよりを上から反時計回りにねじっていきます(写真左)。左手と右手のこよりを持ち替えながら、こよりを右にひねりつつ、2本のこよりをさらに左回りにねじっていくという作業を続けると、写真右のように、縄のような感じになります。

2か所のこよりを縄状に編み終わったら、正三角形を参考に、2本のこよりを結び、余分なこよりを切って、完成です。

使いやすい(開きやすい)ように、綴じ穴をはずして、折れ線を引く便利です。
非常にざっくりとした紹介ですが、実際に自分でやってみると、わかっているようでいて実はちゃんと理解していない部分がたくさんあります。こよりも練習として何本か作りましたが、コツをつかむまで、四苦八苦です。時々、神様がおりてくる瞬間がありますが、一瞬のこと。本当に「身につく」にはまだまだ練習が必要なようです。
午後は、前回の「重なり文書」のクリーニングと裏打ち作業をしました。
来週はお盆休みなので、次回の修補は8月19日になります。
〈研修日2015/08/05 後藤恵菜〉
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