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古文書修補・研修日記45

9月2日の修補は、風邪をひいて休んでしまいました。季節の変わり目は要注意です…。
にもかかわらず、本日は、都合により午前中だけの参加とさせていただきました。申し訳ありません。

まず、前回裏打ちした一紙モノの資料を裁断しました。久しぶりの大判資料で「裏打ち紙を貼るのが大変よ」とアドバイスされていた資料ですが、なんとか形になっていました。横50㎝近い大きさなので、裁断する環境の確保と定規の使い方に緊張しました。

続いて新規の資料は、2枚の状を継いだ「継紙」資料です。

白状すると、継いである資料を剥がしてクリーニングするのは初めてでした。やってみるまで、「やったことがあるつもり」でいました。途中まで作業して、ノートを確認したところ、「状モノの剥がし方」についての記載がまったくなく、先輩スタッフの方が剥がすのを見たことがあったのを、あまりに遠い記憶だったので、自分がやったことがある、と思い込んでいたのだと気づきました。
結果的に、事なきを得た、と思っているのですが、自戒の念を込めて、横山先生に確認して教えていただいた「正しい剥がし方」をまとめておきたいと思います。

段ボール紙かカッターマットに、乾いた状態のポリエステルを敷いて、その上で作業します。
両面の継ぎ目に、小筆で軽く湿りを加え、しばらく放っておきます。
※片方だけに湿りがあると、引っ張ったときに紙が伸びてしまうので、注意します。
継ぎ目が乾きかけたときが、剥がしやすい状態です。しばらく放っておくことが重要です。
※糊によって、水分量を調整します。糊付けが強力な場合などは、お湯を使うこともあります。

このようにまとめると非常に簡単なようですが、いざ資料を目の前にしたとき「あれ、どうやるんだっけ?」と思ってしまうことが多々あります。とにかく、自信がないときは、先生にすぐ聞く、なんでも聞く、を徹底したいと思います。

今回は状2枚を継いだだけなので、継ぎ目の順番を間違えることはほとんどあり得ませんが、
郷土資料館では、状を継いだ資料を扱うときに、1枚ごとに資料番号と順番を書いた小さな付箋を付けておくようにしています。資料の表側に点糊で貼り付けておきます。一見不格好ですが、ちょっと湿りを加えればすぐ剥がれるので、順番がわからなくならないようにするための重要な一手間です。私も2枚だけの資料ですが、習慣にするために、付けました。

次回は、より一層集中して、心身ともに安定した状態で修補に臨みたいと思います。自戒の念を込めて。
〈研修日:2015/09/9 後藤恵菜〉
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