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古文書修補・研修日記47

9月最後の修補は、先の台風による大雨で被害を受けた茨城県常総市役所の行政文書救出作業に参加していたため、お休みさせていただきました。

白井市郷土資料館は10月末からほぼ11月いっぱい、市内の文化祭のため、修補活動がお休みとなります。
古文書修補の時間も限られてきたので、今回は土曜日の修補活動に振り替えで参加させていたきました。

前回から、虫損のひどい継紙資料に取り組んでいます。
虫損大1
2枚の状を継いだ資料で、全長が約80㎝ほどです。資料調査では割と目にする、状態の悪い資料、の一例ですが、いざ自分で修補するとなると、「覚悟」が必要な、ちょっとした怖さを感じます。緊張感をもって修補にあたらなければ…。

調査を行ったあと、最初の作業は継紙を剥がすことです。今回の資料は継ぎ目がほとんど剥離した状態だったので、乾燥した状態ですぐ継ぎ目をはずすことができました。もし継ぎ目がしっかり糊付けされている場合は、継ぎ目に小筆で少し湿り気を与え、乾燥する直前に丁寧に剥離を試みます。

それから、虫損が酷く、小さな紙片などが取れそうになっている箇所には、事前に表側から小さく切ったレーヨン紙に糊をつけて仮止めしておきます。

今回の資料は非常に虫損が多いので「裏打ち」することになりました。
今回学んだことは、「継紙」の裏打ちをするタイミングはどこか、ということです。
ちょうど、私の扱っている資料は2枚の状を継ぐと80㎝ほどになる、やや長めの資料でした(①)。
別のスタッフの方が、2枚の状を継ぐと50㎝ほどの、ほぼ一紙文書くらいの資料に取り組むところでした(②)。

①の場合、本来は状を継いで一紙にしてから、一枚の裏打ち紙で裏打ちしたほうが出来上がりはきれいですが、きれいに仕上げるには技術が必要です。それから、それだけの長さを乾燥させる段ボール紙や押さえ用の板など道具も必要になります。
私には、とても80㎝強の裏打ち紙(裏打ち紙は、本紙よりも前後左右それぞれ1.5㎝程度大きめにします)を上手に裏打ちする技術がないので、継紙の一枚ずつに裏打ち紙を貼ってから、最後に2枚の状を継ぐことにしました。そのため、クリーニングも通常通り1枚ずつ、虫損直しも1枚ずつおこない、それぞれに裏打ち紙を貼ります。
なお、継ぎ紙の場合、継いだときに天地の長さが合わない場合があるので、天地それぞれと、継いだときの最初と最後の縦部分に足し紙をしておきます。

②のように、継紙の出来上がりがそれほど長くならないときは、出来上がりをきれいにするために、状を継いだあと一枚の裏打ち紙で裏打ちをします。その場合は、クリーニングしたそれぞれの状を、乾燥した状態でまず継いでしまいます。継いだ資料を完全に乾燥させたあと、改めて全面に湿りを加えてレーヨン紙をはずし、通常通りの虫損直しをします。このとき、修補作業で継いだ糊は、しっかり乾燥させると、その後の虫損直しで本紙を濡らしても、すぐには糊は溶けないので剥がれてこないそうです。虫損直しをしたら、全面に裏打ち紙をはって、乾燥させます。

写真(↓)は、状1枚をクリーニングし、レーヨン紙でサンドし乾燥させた状態です。
慎重に皺を伸ばすと、くしゃくしゃだった資料もかなりきれいになります。
クリーニング
けれど、とにかく虫損が多いことと、手順の確認に手間取ったことで、今日はこの2枚の状を虫損直しするだけで終了となってしまいました。それでも、午後は時計とにらめっこしながら、時間内にこの大量の虫穴を埋めることができるか、首が凝り固まった状態でひたすら和紙をちぎり続けました。

次回はこの2枚の状を継いで裁断=終了の予定です。

〈研修日:2015/10/03 後藤恵菜〉



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