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古文書修補・研修日記52

今日は、前回クリーニングした資料の虫損直しを行いました。
出だしから、印刀の持ち方を間違い、先生からの指摘。「虫損直しのみ」は久しぶりとはいえ…。

もう一度、おさらいとして印刀の持ち方(写真上)と使い方(写真下)を。手のモデルは先生です。
印刀の持ち方
印刀の使い方
右手に印刀と小筆を持ち、左手に直し紙を持って作業します。
虫損直しのみの資料は、本来紙がしっかりしていて、大きな虫損や欠損がないのですが、細長い虫損などがある場合は、やはり厄介です。印刀を使って穴をふさぐ、というのはどうにも難しく、ちょっと大きな虫穴のときは、ついつい直し紙を手でちぎって埋めたりすることもあります。

けれど、午後も同じ作業を続けいていたところ、ふと、コツをつかんだ一瞬がありました。

一回で穴を埋めようとしてはいけないのです(そもそも、一回できれいに埋まるはずがないのに、埋めようとしていたのでした)。
印刀の先で、細かく細かく穴を埋めていく。和紙の繊維を重ねるようにして、こまめに埋めていきます。

それから、埋めたい場所より気持ち右側に印刀の先をあて、直し紙を左斜めに引くと、埋めたい場所に繊維が乗るような気がします(あくまでも私の感じですが)。

完璧に身につけたわけではありませんが、今までの出来1割に比べると、4割くらいコツをつかんだような気がします。
来週もう一度虫損直しの資料があるので、試してみたいと思います。

※余談ながら、12月7日に常総市で国立公文書館指導の水損資料修復研修会(前半)がありました(詳細は、後半の研修が終わったらまとめて紹介したいと思います)。白井でのクリーニングは資料をポリエステル紙でサンドして水洗いしますが、公文書館方式では網戸のネットにサンドして刷毛を使って水洗いしました。刷毛の扱い方や、ネットをはがすときの方法が、白井で教えていただいた方法と同じで、やはり注意しなければいけないポイントでした。

〈研修日:2015/12/9 後藤恵菜〉
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