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古文書修補・研修日記58

2月10日(水)の修補作業は、郷土資料館が燻蒸作業のためお休みでした。
今回は、土曜日の活動に参加させていただきました。

今日の作業は、前回つないだ絵図面の余白を切るところから始めました。
絵図面左側に付けられていた貼紙をどうするか、ということが問題となり、作業は余白を切るところで一時保留(担当職員さんがお休みのため)
 →本来は絵図面の元通りの位置に貼紙を付けるべきだと思うが、はみ出した形になるので、貼紙部分が傷みやすい
 →絵図面は八つ折りの状態で封筒に入っていた。貼り紙を元の位置に貼ると、貼紙も細かく折りたたむことになる
 →あくまでも「原型」に戻すべきか、記録があるので、保管を優先させるべきか
修補した資料は封筒に入れて保管しますが、封筒の大きさには限界があるので、封筒に収まる大きさに折りたたむことになります。白井では、元の折り線を遵守しつつ、あまり細かく折らないように収納するようにしています。課題は次回に持ち越しです。

次の作業は、クリーニングが済んだ2枚の継ぎ紙を虫損直しすることです。
裏打ちをせず、虫損直しのみ行います。
そのため、本紙全体を濡らすことはしません。
完全に乾いている状態で、虫穴の周辺にのみ固糊を付け、印刀と小刷毛を使って穴を埋めていきます。
この前の作業で、印刀の使い方をなんとなく習得したような気でいましたが(以前よりは少し進歩したつもりですが)、やはりちょっと大きく開いている穴をピンポイントで埋めていくのは至難の業です…。3歩進んだようなつもりで、やはり2歩後退…。

今回の資料には端裏書があり、文字の部分に虫穴がありました。
当然のことながら、虫穴は裏面から埋めていきます。けれど、端裏書や裏の継ぎ目印などに虫損がある場合で、表に文字がないときは、表から虫損直しをします(写真↓)。
端裏
でも、表=顔にあたる部分なので、できるだけ傷跡は小さくなるように…。

できるだけ水分を控えながら虫損直しをしますが、それでも直した部分が皺になってしまいます。虫損直しが終わったら、全体に軽く湿りを加え、平らなボール紙に挟んで押しをします。
次回(2/24の予定)、全体を整形して終了の予定です。

〈研修日:2016/02/13 後藤恵菜〉
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