今日は、諸般の事情で、修補活動は午前中だけとなりました。
朝一番に、前回虫損直しをして、皺を伸ばしておいた資料の余分な直し紙をカットし、終了させました。
前回の課題となっていた絵図面に付箋をつける作業は、次回へ持ち越し。
そのあとは、久しぶりの竪冊資料にとりかかります。
すでに調査は終了し、必要なレーヨン紙・裏打ち紙などは裁断済みなので、すぐにクリーニングに入ります。
比較的状態の良い資料なのですが、一部、くるりと虫に喰われて抜けてしまった部分があり、
その抜けた部分が一枚の紙にすべてくっついてしまっている箇所がありました。
調査をし、綴じていたこよりを解いて一枚ずつにばらす(=解体作業)とき、
先輩スタッフに立ち会っていただくのですが、
そのとき「塊で抜けてしまった紙片は、すぐに仮止めしておいたほうがいいですよ」
とのアドバイスをいただき、
紙片の塊をすぐ1枚ずつにし、順番通りにもとの位置に仮止めする措置をしました(写真↓)

要は、該当箇所に抜けていた紙片を置き、表側からレーヨン紙で作った小さな帯を使って、糊で仮止めしておくのです。
この状態でクリーニング、虫損直しをし、
裏打ち紙を貼って乾燥させるとき、レーヨン紙の帯を外せばOKです。
クリーニングしても、加減すれば帯がとれることはありません。
午前中に6枚全部のクリーニングが終わりました。
古文書の修補手順は、冊モノだろうと状モノだろうと基本は一緒です。
ですが、冊モノだと、当然本紙の数が違うので、しばらくクリーニングをし、そのあとしばらく虫損直しをする…という同じ作業が続きます。その途中に「こより」を直しておく作業もあります。
また、同じ過程で裁断したはずの和紙でも、微妙に縦の長さが違うこともありますし、外側の紙と内側の紙で傷み具合が異なることがままあります。
そのため、冊モノの場合、天地に足し紙をし、裏打ちしたほうがいいので、状モノよりは、やはり作業がいくつも増えます。
必要なものは揃えたか?
久しぶりに冊モノに取り組むにあたり、頭をフル回転させ、段取りをおさらいしています。
〈研修日:2016/02/24 後藤恵菜〉
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