課題となっていた「絵図」の貼り紙。
これは、元の位置に貼ると、絵図を元通り折りたたんだときに、一緒に(細かく)折りたたまれることになるため、
あえて折り目に当たらない位置に貼り付けることになりました。
調査票に状況を追記して、この資料の作業を終了とします。
このあとは、ひたすら「冊モノ」に取り組みます。
今日も都合により午前中のみの作業のため、
ポイントを絞りました。
まず、冊モノの背表紙にかかっていた「カバー」部分のクリーニング。
そして、「こより」の解体と裏打ちです。
白井市郷土資料館では、よほど状態が悪くなければ、冊モノに使われていた「こより」をクリーニングし、補強して再利用しています。
「カバー」のクリーニングは本紙と同様なので省略します。
「こより」の場合、用意するモノと段取りが、少しだけ異なります。
「こより」のクリーニングに入る前に、「こより」に足す「足し紙」と「こより用」の裏打ち紙を用意します。「こより」を縒るとき、紙が厚いと大変なので、足し紙も裏打ち紙どちらも同じ、少し薄いものを使います。
足し紙は広げた「こより」と同じ幅で10㎝ほどの長さのものを2つ、裏打ち紙は「こより」が収まる大きさを用意します。
まず、下の写真は「こより」をほどいている様子です。放っておくと丸まってしまうので、小刷毛で少しずつ湿りを加えながら広げていきます。

「こより」をポリエステル紙の上に広げた状態です(写真↓)。クリーニングは、通常通りポリエステル紙でサンドし、水をかけて汚れを叩き洗いするようにします。

そのあと、「こより」の場合はすぐに裏打ちをします。
表にでる部分(広げたとき、汚れがついている部分)を裏にし、さらに、「天」にあたる部分が直線になるように整えます。
全体に糊をかけ、虫損がある場合は、先に穴を塞ぎ(この時使う直し紙は「こより」の厚さと同じもの)、「こより」の両端にそれぞれ「足し紙」をつけます(写真左↓)。 ただし、写真の足し紙は、私が勘違いしていて、「こより」の幅より大きめのものを足してしまいました(先輩スタッフの方が気づいて教えてくださいました)。乾燥させたあと、「こより」の幅で裁断してから縒り直すので問題はないのですが、足し紙を無駄に使ってしまったことになりました。

そのうえに、裏打ち紙を乗せたものが下の写真(↓)です。

これを乾燥させたら、「こより」の幅で裁断してもう一度「こより」を作ります。
次回は本紙の虫損直しと裏打ち作業となります。
冊モノの場合、天地に足し紙をしたほうが強度が増すので、足し紙の準備をしてから虫損直しにとりかかる予定です。
〈研修日:2016/03/02 後藤恵菜〉
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