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古文書修補・研修日記65

新年度が始まりました。

今日は、前年度から継続となっていた冊モノを完成させました。
冊モノの製本過程について、まとめたいと思います。

下の写真は、裏打ちをして乾燥した状態の本紙です(資料の特定ができないように、表紙ではなく、中身の一部を参考画像として紹介します)。
冊モノ製本 (1)
①まず、表紙・裏表紙を含む本紙をすべて半分に折ります(写真↓)。一応、本来の折り目を軸にしますが、クリーニングで和紙が伸びたり、歪みが補正されたりするので、必ずしも元の折り目と四隅の角が合うとは限りません。多少の修正が必要なときがあります。
冊モノ製本 (2)
②次に、裁断機を使って本紙の「地」を、一枚ずつ本紙ぎりぎりの位置で裁断します(写真左↓)。0.5~1.0ミリくらい、裏打ち紙が出るようにします。
冊モノ製本 (3) 
③本紙全部の「地」部分を裁断したら、本紙すべての縦(裏打ち紙の余白を含む「地」から、「天」の本紙)と、横(「小口」から「ノド」の本紙)を計測し、一番長い数値を調べます(写真中・右↓)。
冊モノ製本 (4)
④計測が終わったら、本紙をまとめて「地」と「小口」を揃え、「小口」部分や虫損直しで厚みがでた部分を金槌で叩いて平らにします。そのとき、本紙を保護するためにポリエステル紙を乗せて、その上から叩くようにします。
冊モノ製本 (5)
⑤本紙が揃ったら、裁断機を先ほど計測した縦・横の最大値にあわせ、本紙の「天」と「ノド」の余分な裏打ち紙を一枚ずつ裁断します。このときも、裏打ち紙が0.5~1.0ミリ程度出るようにします。
⑥次に、「こより」を作ります。本来使われていた「こより」をクリーニングし、足し紙をします(写真上↓)。余分な裏打ち紙をカットし、汚れの出ている面を裏側にしてこよります。本来の「こより」の部分と足し紙をした部分は明瞭になりますが(写真下矢印)、最後に余分な部分はカットします。
冊モノ製本 (6)
⑦目打ちと木槌を使って、本紙の綴じ穴部分に穴を開けます。この冊モノには「カバー」(背表紙をくるんでいたものか)がついていたので、これも一緒に綴じます。
冊モノ製本 (7)
⑧綴じ穴に「こより」を通し、調査書に記録した結び方を参考に、「こより」を結びます。最終チェック(本紙が順番通りになっているか、調査時点で撮影した写真画像で確認)します。
冊モノ製本 (8)
⑨順番が確認できたら、「カバー」部分の天地の余分な裏打ち紙と余分な「こより」をカットし、完成です。
冊モノ製本(9)

今回の冊モノには「カバー」がついていました。これは本来「こより」を隠して背表紙をくるみ、裏で糊付けされていたのかもしれませんが、修補時点ではめくれた跡がなく、しっかりと日焼け跡がついているため、長らくこの状態であったと思われます。そのため、修補前と同じ状態に戻すだけとしました。

前回平行してやっていた、虫損の酷い資料も、繋ぎと余白の裁断が終了したので、新しい資料に入りました。
それでは、今年度もよろしくお願いいたします。


〈研修日:2016/04/06 後藤恵菜〉




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