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古文書修補・研修日記67

【今日の作業】
 ①糊作り
 ②資料246(2枚の継ぎ紙)の接合→乾燥→余白の裁断=完成
 ③資料248(絵図)の虫損直し→・皺伸ばし・乾燥→余白の裁断=完成
いろいろな道具を使うので、どの順番でどの作業したら効率的か、考えながら作業するようになりました(少しだけ)。

糊作りについて、まとめておきたいと思います。
糊を作る道具・縮小
必要な道具は、右上から時計回りに
 ・タライ(練った糊を冷やすのに使う)
 ・タオル(練った糊が乾燥しないように濡らしてかぶせておく)
 ・ヘラ(糊を練る)
 ・糊(粉状のもの)
 ・糊を煮る鍋

まず、粉状の糊を鍋に入れます。糊1:水4の割合で入れ、火にかける前に、糊と水をよく混ぜておきます。
糊を練る・縮小
そのあと火を付け(白井ではガスではなく電気を使います)、約30分を目安に練り続けます。
はじめは強火にし、5分ほどでとろみが出てきたら火力を弱め、焦げ付かないようにひたすら練ります。
どうしても鍋のまわりに糊がついてしまいますが、無理に混ぜると、すでに温度差があるため、本体の糊とうまくまざらずダマになってしまうので、とにかくまんべんに、均等に練るように心がけます。
糊1
上段右の写真のように、ヘラで糊をかいたとき、道ができ、
下段左の写真のように、ヘラに糊がとどまるくらい、
指で粘りを確認して、下段左の写真くらいになったら、完成です。

最後に、粗熱をとるため、水を入れたタライのなかに鍋を入れ、糊が乾燥しないように濡れタオルをかぶせておきます。
糊を冷やす・縮小
糊が冷えたら、必要な分だけ漉して使い、残りは小分けにしてキッチンペーパーでくるみ、冷蔵庫で保管しておきます。

★この後は、ちょっと寄り道…
 今、多くのスタッフさんが「年貢割付状」か「年貢皆済目録」の修補に取り組んでいます。
 私は、2枚継ぎくらいの状モノばかりだったため気がつかなかったのですが、多くの方が70㎝前後もあるような長い状モノに取り組んでいらっしゃいました。
 そのなかで、50~60㎝前後の状モノで、しかも幅の異なる紙を何枚も継いだ資料の修補することになった方が「なんでこんな半端なところで切った紙を使っているんだろう?」と、不思議そうな声をあげていたので見せていただきました。
 たしかに、最初が3㎝?くらい。そのあと、幅が不規則な紙が何枚か継いであります。すべての幅がばらばらなサイズです。別の資料だと、最後に1㎝くらいの白紙の紙が継いであったりしたものもあったそうです。
 
    …こんな半端な紙、なんで継いでいるんだろう…。
 普通だったら、半紙版とか美濃版など同サイズの和紙が継いであり、最後だけ半端分が出たりすることはあるのですが…。

 これは領主側の役人が「半端紙ロール」を作って使っているのではないか!?

 割付状や皆済目録は、領主(側の役人)が、支配村々に対して、上から下に発給する資料です。
 だから、ちゃんとした規格の紙を使う必要がない(紙は貴重)。
 とはいえ、この紙は以外に厚手のしっかりした紙。
 領主が正式な文書を出したときに出た半端モノを集めて、継いで、下の者宛の文書に再利用しているのでは…。つまり「節約」!?
 最後の1㎝だけ付いていた白紙の意味は…。割付状などには所定の書式(前後の余白は何寸あける…というような)があるのかな?

 すぐに結論はでません。
 いえ、私の勉強不足で、こんなことはとっくにわかっていること、と笑われるようなこと、かもしれません。
 でもちょっと気になるので、こういう研究があるのか、ちょっと調べてみようかな、と思います(ご存じの方がいらっしゃいましたらごぜひご教示ください)。領主によって、財政事情は異なるでしょうし、他の地域や時代のものとも比較してみたら、またなにか違いがあるかもしれません。

 まさか、古文書の修補をしていて、こんな不思議な課題にぶちあたるとは思いませんでした(これも、不思議な状況に気がついて声をあげたスタッフさんの賜物…)。
 これまでいろいろなところで資料調査をしてきましたが、残されてきた資料の「材料」や「使われ方」、あるいは書誌学的な利用に思いが至りませんでした。
 何事にも関心をもって取り組まなければ…と、心を新たにしています。

〈研修日;2016/04/20 後藤恵菜〉
 
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