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古文書修補・研修日記77

今日は、継紙の状モノの虫損直しをしてつなぐ作業から始めました。

2点のうち、1点目は状2枚をつなぎます。クリーニングをして、平らになった状態なので、先に2枚を継いでしまって、継ぎ目をしっかり乾燥させてから、虫損直しをしました。虫損直しをした部分は、どうしても攣ってしまうので、軽く湿りを加え、再度「皺伸ばし」をします。あくまでも「軽く」湿りを加え、平らな段ボール紙でサンドして乾燥させます。

2点目は状3枚をつなぐ必要があったので、1枚ずつ虫損直しをし、一度「皺伸ばし」をして平らにしてから、継ぐことにしました。固糊で継いだあと、もう一度押しをして乾燥させます。

本紙からはみ出した直し紙を裁断して、封筒に収まる大きさに折って(調査の段階で折り目を確認しておき、その折り目を尊重します)完成となります。

さて。

新しい資料(状3枚の継紙)に入り、調査を済ませ、クリーニングをしました。
一日作業をする中で、午前中にクリーニングあるいは裏打ちした資料は昼に1度、夕方の帰りに1度段ボールを交換します。午後作業した分は、夕方に1度段ボールを交換し、そのあとは職員の方が翌日以降に段ボールの交換をします。1回のクリーニング(もしくは裏打ち)作業で、2~3回程度、段ボールの交換をして、資料の乾燥を進めます。

この間、研修日記の中で何度か、私がクリーニングをしたときにレーヨン紙がすぐに剥がれてしまう…ということを書きました。
今日も、段ボールを交換したときに
「あら、後藤さんのレーヨン紙、また剥がれちゃった」
というスタッフさんの声。
「え~っ、どうしてでしょう?? しっかり水分を加えて、しっかり圧着させたんですけど…」

今までだと、朱色などの色止めをした資料が剥がれやすい…ということはあったのですが、今回の資料は墨一色の、何の変哲もない資料でした。

「ちゃんと、レーヨン紙のざらざらした面を(資料に)あてているんですけどねえ…」
「あら~っ、それよ…」
「えっ??」
「レーヨン紙は、つるつるした面同士をあわせないと、くっつかないんですよ!!」
「え~っ!! 今まで、ざらざらした面を和紙にあててましたっ!!」
「原因がわかったわねぇ~。あっさり解決!!」
「………」

本当に今更ですが、
・ポリエステル紙:とくに表裏はない
・レーヨン紙:裏と表がある。表がつるつる。裏はざらざら。
・裏打ち紙:表と裏がある。表がつるつる。裏はざらざら。

状モノの裏打ちをするときは、資料の裏と裏打ち紙の裏を合わせます(外側につるつるの面が出ます)。
冊モノのときは、逆にします(裏打ち紙は、本紙より少し余白を作って裁断するので、つるつる面を本紙の裏にあてると、外に出る余白はつるつる面になります)。
ざらざら面同士のほうが密着が強くなると思い込んでいたので、レーヨン紙も「ある時点」から同じように扱っていました。はっきりとした記憶はありませんが、レーヨン紙の裏と表をちゃんと意識して使うようになった(つまり、それまでは多分裏表の意識がほとんどなかったということ…)ときから、レーヨン紙のざらざらしたほう(裏面)を、意識して資料にあてていたのです。

研修をうけて4年目というのに、気がつかずに作業していた自分が恐ろしい(つまり、レーヨン紙の裏表を意識する以前は、偶然の産物で表面通しを貼り合わせていて、なんとなくうまくいっていた)のですが、次回(もしくは次々回)には、意識してクリーニングをし、レーヨン紙のつるつる面(表)同士を資料にあて、状況を観察して、しっかり納得したいと思います。

〈研修日:2016/07/20 後藤恵菜〉
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