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古文書修補・研修日記79

白井市郷土資料館・古文書修補スタッフの皆さんは、横山先生指導の下、今日から通常の修補作業と平行して、先の東日本大震災で宮城県石巻市から救出された被災資料(和本)の修補作業にあたることになりました。宮城史料ネットからの修補依頼を引き受けたのです。あの震災から5年が過ぎましたが、まだまだ被災資料が大量に残されているのです。

白井市がお預かりした資料は版本5点です。
今日は、概要写真を撮り、1点ずつ調査書を作成する作業を行いました。
DSC02479.jpg
テーブルの上にデジタルカメラを取り付けた三脚とライトを設置し、横山先生が資料の状態を確認しながら、一枚ずつ手開きしていき、それをカメラで撮影していきます。5冊のうち、3冊は状態がよく、ほとんど問題なく頁を開くことができました。破れや劣化がある箇所には、挟み紙(薄い洋紙)を挿入していきました。

概要撮影が済んだ資料を、スタッフの方が調査書にまとめていきます。
DSC02482.jpg
資料の縦横計測し、丁数を数えます(写真左)。
使用されている紙の厚さを計測します(写真中央)。
綴じ部分を外し、資料の解体を行います(写真右)。綴じ紐は劣化しているため再利用できませんが、保存してお返しする予定です。

このあと、1冊ごと・1頁ごとにナンバリングをし、クリーニングと裏打ちに必要なレーヨン紙・裏打ち紙の裁断をして道具を揃えてから、通常通りに
 クリーニング→虫損直し→裏打ち→製本→裁断(完了)
という手順で作業を進めていきますが、資料の解体が済んだ時点と、裏打ちした時点で再度写真を撮る予定です。

酷い汚れ・カビは見受けられませんでしたが、普段白井で扱っている資料(被災していない資料)とは状況が違います。
海水・汚水を被った資料なので、マスク・手袋の着用をお勧めしました。手袋は慣れないと細かい作業がやりにくいような気がしますが、クリーニングが済むまでは、着用した方がいいと思います。
海水・汚水が、水だけのクリーニングでどこまで落とせるのか定かではありませんが、これまで以上に丁寧なクリーニングと、しっかり乾燥させることで少しでもよい結果がでれば…と思います。

※来週はお盆休み、再来週は個人的にお休みします。次回の修補は24日(水)です。
〈研修日:2016/08/03 後藤恵菜〉
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