白井市での古文書修補が再会しました。約1ヶ月ぶりです。
宮城県石巻市の被災資料は、修補作業が休みに入る前にクリーニングと裏打ち作業まで終了していました。海水で汚れていた資料はかなりきれいになったように見えます。

これらの資料を仕上げていくのですが、手順は「和本」と同じです。
今日は、以下のところまで分担して作業しました。
・裏打ちして平らな状態の本紙を1枚ずつ、半分に折る
・地の部分を裁断する
・全体を揃え、小口部(輪の部分)や虫損直しで厚みが出た部分を木槌で叩き、30分から1時間ほど「押し」をする
・本紙の縦横を測り、それぞれ最大値を出し、天部つづいてノド部(綴じる部分)を裁断する
・本紙を整え、仮止めする
石巻の資料は、汚水で密着していたこと、また大勢で分担作業したことから、とくに頁の乱丁確認などは慎重に行いました。

本紙のノド部分は綴じたら見えなくなるので、そこに全体の通し番号を記入しておきますが、裏打ち紙の余白にも同じように、通し番号を書き込み、何度も確認します。それでも乱丁がみつかったりしましたが、調査開始時に撮影したメモ写真を参考にしながら、確認作業を進めました。
和本の表紙には、中性紙封筒が密着して部分的に跡がついてしまいましたが、可能なかぎり、印刀などを使って削り落とす作業も行いました。
断簡部や、大きな欠損がある頁など、課題が残る資料もありますが、順調に作業が進めば、年明け早々には修補が終了するかもしれません。今年も残りわずかとなりましたが、丁寧な作業を心がけたいと思います。完成が楽しみです。
〈研修日:2016/12/07 後藤恵菜〉
スポンサーサイト
- http://chibasiryounet.blog.fc2.com/tb.php/197-35fc8147
トラックバック
コメントの投稿