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古文書修補・研修日記87

白井市での古文書修補が再会しました。約1ヶ月ぶりです。

宮城県石巻市の被災資料は、修補作業が休みに入る前にクリーニングと裏打ち作業まで終了していました。海水で汚れていた資料はかなりきれいになったように見えます。
裏打ち済・縮小
これらの資料を仕上げていくのですが、手順は「和本」と同じです。
今日は、以下のところまで分担して作業しました。
 ・裏打ちして平らな状態の本紙を1枚ずつ、半分に折る
 ・地の部分を裁断する
 ・全体を揃え、小口部(輪の部分)や虫損直しで厚みが出た部分を木槌で叩き、30分から1時間ほど「押し」をする
 ・本紙の縦横を測り、それぞれ最大値を出し、天部つづいてノド部(綴じる部分)を裁断する
 ・本紙を整え、仮止めする

石巻の資料は、汚水で密着していたこと、また大勢で分担作業したことから、とくに頁の乱丁確認などは慎重に行いました。
チェック・縮小
本紙のノド部分は綴じたら見えなくなるので、そこに全体の通し番号を記入しておきますが、裏打ち紙の余白にも同じように、通し番号を書き込み、何度も確認します。それでも乱丁がみつかったりしましたが、調査開始時に撮影したメモ写真を参考にしながら、確認作業を進めました。

和本の表紙には、中性紙封筒が密着して部分的に跡がついてしまいましたが、可能なかぎり、印刀などを使って削り落とす作業も行いました。

断簡部や、大きな欠損がある頁など、課題が残る資料もありますが、順調に作業が進めば、年明け早々には修補が終了するかもしれません。今年も残りわずかとなりましたが、丁寧な作業を心がけたいと思います。完成が楽しみです。

〈研修日:2016/12/07 後藤恵菜〉

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