前回に引き続き作業している朱書と藍色インクで書かれた冊モノ史料は、今日は青インクの本紙を虫損直しし、こよりを裏打ちし、乾燥を待っています。次回、製本の予定です。
今日は、折れ皺と汚れが多く、水損(?)によって紙が弱ったような、ふやけがある状モノ史料の仕上げです・
この史料は先の朱書・藍書の冊モノ史料とほぼ平行で作業していたものです。
一紙モノですが、折れ皺がしっかりついている、少々厄介な史料です。
写真左(↓)のように、皺がしっかりとついている史料は、クリーニングする前に、小筆を使ってできるだけ皺伸ばしをしておくことが重要です。折れ皺の山折れの部分に軽く湿りを加えると、強い皺も少しずつ伸びていきます。谷折れの部分ではなく、山折れの「山」の部分に湿りを加えることがポイントです。
ふやけがある史料は、「ふのり」を使って乱れた(荒れた)和紙繊維を一度落ち着かせてから直す方法がありますが、クリーニングの後、すぐにやや濃いめの糊をかけて虫損直し→裏打ちをする方法もあります。今回は、後者の方法で作業を進めました。
出来上がり(皺の伸び具合など)はまずますかな…と思いますが、完成したもの(写真右↓)を見ると、虫損直しした箇所の白さが目立ちます。直し紙の色は、本紙よりも薄い色であることが最低条件ですが、できるだけ本紙に近い色合いのものを使う方がよいことがわかります。

次回は9月13日(水)の予定です。
〈研修日:2017/08/23 後藤恵菜〉
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