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古文書修補・研修日記111

前回こつこつと穴埋めした虫損史料の皺は、どうもきれいに伸びていませんでした。
随分時間をかけてしまっていますが、最後のチャレンジ。もう一度皺伸ばしをすることにしました。
虫損が多いと、どうしてもいろいろな箇所で紙の厚みが違ってきます(自分の技量の低さは勿論大きな要因ですが…)。直した部分がつってしまうのはやむを得ないとしても、湿り具合と重しの加減で、もう少し伸びないかな…と。
皺伸ばしは、たっぷり水気を含ませる必要はないとのことですが、今回は本紙をポリエステルで挟み、もう少し多めの湿りを全体に加えてみました。次回は完成にしたいと思っています。

皺伸ばしをしているあいだに、新しい史料に入りました。
久しぶりに、がっつり虫損のある史料です(写真↓)。
虫損大(縮小)
史料調査先でわりとよくみかける状態です。かなりの確立で史料目録の備考欄に「後半は虫損不開」などと書かれるようなタイプの史料ですが、この史料自体はすでに開披されていました。けれど、写真からもなんとなくわかるように、継紙が剥離し、あちこちに長短の虫損があり、欠損がみられます。
午後から新しい史料の調査に入ったのですが、焦らず、クリーニング前の準備(小筆を使って、強い折れ皺を伸ばす作業)に時間をかけました。
大判の和紙なので、接合すると60㎝くらいの長さになります。破損も多いので裏打ちをしようと思います。

通常の手順としては、大きくは2通りです。
 ①剥離した史料を1枚ずつクリーニング→1枚ずつ虫損直し・1枚ずつ裏打ち→乾燥したら接合
 ②      同                →接合してから虫損直し・裏打ち
です。②のほうが、裏打ち紙を1枚通しで貼るので全体が統一されて仕上がりがきれいです。けれど、大きな本紙に裏打ち紙を貼り付けるにはかなり高度な技術が必要だと思っています。

裏打ちをする場合の虫損直しは、全体をしっかり濡らしてレーヨン紙を剥がし、本紙全体に薄糊をかけながら行います(虫損直しのみ、の場合は乾燥した状態でレーヨン紙を剥がす)。

今回は、ちょっとイレギュラー的に
 ③剥離した史料を1枚ずつクリーニング→乾燥した状態で1枚ずつ虫損直し→皺伸ばし→2枚を接合して裏打ち
という、1段階手間をかけた作業でやってみようかと思っています。

継ぎ目印もあるので、その部分の裏打ち紙は最終的に剥がすことになります。

時間がかかりそうですが、このタイプの史料は現場でよくみかけるものなので、後々のためにしっかり取り組みたいと思います。
次回の修補は10月11日(水)の予定です。

〈研修日:2017/10/04 後藤恵菜〉

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