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古文書修補・研修日記120

3枚の継ぎ紙でできている状モノ資料の修補をしています。
継ぎ目が剥離している状態だったので、1枚ずつクリーニングをしました。紙がしっかりしており、鉄炮穴状態の虫損がほとんどだったため、1枚ずつ虫損直しをした後、継ぎ目を繋いでいく作業となります。

1枚ずつ虫損直しをし、その都度皺伸ばしをし、その間に次の本紙の虫損直しをする…それを繰り返して1枚ずつ完成させたあと、接合作業に入ります。
糊代部分が2ミリくらいの狭さでしたが、少し固めの糊でしっかり糊付けし、しっかり重しをして、しっかり乾燥させました。
もともとの折れ線がかなりしっかりついていたので、完成品はぴったりまっすぐ…というわけにはいきませんでしたが、仕上がりはまずまずだと思います。
虫損直し
裏打ち紙を貼ると、「本紙は切っていない」ことを示すため、裏打ち紙を本紙より若干大きめに(1ミリ程度)裁断しますが、虫損直しだと、本紙そのもので完成するので、現物の感じがそのまま残せると思います。

けれど、いくら紙がしっかりしていても、虫損直しが多いと、直した部分の周辺に厚みが出る=皺がよりやすくなるため、皺伸ばしに苦労します。正直なところ、きれいに伸ばすことはかなり難しいです。

本紙の状態をできるだけ活かして修補したい。
でも、仕上がりがあまりにシワシワでは…。
虫損してみて、思いのほか皺が伸びないと、裏打ち紙を貼ることもあります。和紙の仕上がりを想像することも重要です。

次回の修補は、2月21日の予定です。70㎝くらいの長い史料と、虫損の多い史料を預かっています。

〈研修日:2018/01/31 後藤恵菜〉
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