千葉資料救済ネットワーク総会「あれから2年、そのときあなたは!これからあなたは?」(3月10日)について新井可菜子さん(千葉大文学部史学科学生)が参加記を寄せて下さいました。
総会では様々な立場の方の震災時の活動内容をうかがうことができ大変勉強になりました。特に千葉県立中央博物館による陸前高田市立博物館の被災標本救済プロジェクトでのボランティアの方々の活躍は印象的でした。
その後、参加者全員の意見交換の場がありました。慌ててあのとき自分が何をしていたかを振り返ってみると、結局何もしていませんでした。ニュースで文化財レスキューなどが報道されたとき、大学の授業を通じて古文書を勉強している身として何かしたいと思いつつ、思っただけで終わりました。資料の救済の仕方なんて何も知らない素人が行って何ができるのかと気おくれがして・・・と言ったら後で久野先生に「意志があればできる!」と力強いお言葉をいただき、全くその通りだなと自分の言い訳を反省しました。確かに今思えば、ひとまずネットに繋ぎ、どこで、どんな組織が活動していて、また人手を必要としているのかを調べることはできたのに、それをやらなかった自分はたいした意志もなかったんだなと思います。
と、しばらくは反省したものの、そうは言ってもやはり大半の人が私のように最初はビビってしまうのではないかと正直思うのです。ではその気おくれはどこからくるのかと考えたところ、作業で何をするのか全く分からない、イメージが湧かないという点が大きいのではないでしょうか。加えて貴重な資料を取り扱うというプレッシャー。授業で古文書をさわっている奴が何をと言われそうですが、水や泥にまみれた資料の救済方法など知りません。救済どころか逆に破損を大きくするのでは、足手まといになるのでは、と臆病風に吹かれるばかりです。実は大それた専門知識がなくても資料の救済でできることはたくさんあるのですが、この千葉資料救済ネットの勉強会に参加して初めて知ったことでした。
なのでとりあえず皆この資料ネットの勉強会に出ればいいのに、とぼんやりと思っていたところ、先輩の野口さんが、史学科の学生は資料を使って研究をしているというところで救済に関わる義務がある、学生がもっと参加するために学生ができることを考える必要がある、ということを仰っていたのを聞き、目から鱗が落ちました。資料ネットの活動に参加させてもらっている「お客さん」に甘んじるのでなく、学生の立場としてネットワークを広げる努力をすべきなのだと気がつきました。資料ネットに参加する意義、活動内容、意外とこわい所ではない・・・むしろ勉強になるうえ楽しい、というところを学生目線で発信していきたいと思いました。
「あれから2年、そのときあなたは!これからあなたは?」の問いかけに対する自分なりの答えが出せました。あとは確かな意志をもって実行していきたいと思います。
(2013/04/09記)

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