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古文書修補・研修日記3

GWが終わり、再び古文書修補の研修が始まりました。
私の作業は今日も「裏打ち」がメインですが、3枚しか終わりませんでした。冊の終盤(50丁のうち41丁目)に入り、俄然虫損が多くなってきたことが理由の一つ。もう一つは、他のスタッフさんが作業していた継紙の保管方法について、横山先生の実演指導があり、それを見学させてもらっていたからです。

《先生の作業を見学する》
指導を受ける

数メートルの長さがある継紙をどのように保管するか…。
通常は、紙の奥から折りたたんで保管されていますが、修補したことによって、折り目の跡はわかるものの、折り目はキレイに伸ばされています。郷土資料館でも、修補後の継紙をどのように保管するかについてはまだまだ検討中ですが、今回は試みとして、紙を折らずに巻子のように巻いて保管する方法をとることになりました。

その際、本紙の軸に使ったのが、家庭で使われているラップの芯の部分。ただ、これ(おそらく酸性紙)に直接資料を巻き付けるようなことはせず、また、上下に空いた穴からホコリなどが入らないようにするために、蓋を取り付けるなどの、丁寧な措置を施しました。この過程を、先生が実演して見せてくださったのです。
私の拙い言葉で説明できるものではないのですが、さりとて写真がいくらあったからといって伝えられるものでもなく…。

要は、資料を保護するために、芯の部分に和紙を貼ります。また、芯の上下に蓋を付けるですが、その辺にある厚紙を、裁断機を使って器用に円形に切り(これは神業です)、ぴたっと芯の穴に嵌め、なおかつ和紙で丁寧に覆います。資料に触れる面は、和紙の表側(つるつるした方)が当たるようになっています。資料を芯に固定するのではなく、資料の縦の幅と同じ幅の和紙を数十センチ芯に付け、資料を巻き込むようにしていきます。

文字で説明するとこれだけなのですが、このとき和紙を切るのに、刃物は使いません。細筆などでちょっと道筋をつけるように濡らしてから手で裂くと、和紙の繊維が出てきます。ここにちょっと糊を付けてなでつけると、継ぎ目がキレイになくなるのです。
先生の仕事はミリ単位の正確さ、丁寧さ。いかにして資料を保護するか。1点1点の資料ごとに適した方法を考えます。

機会があれば、この資料の最終形をご紹介したいと思います。
今日の感想は、「(ここまで手間暇かけてもらった)この資料は幸せだなぁ」です。

ちなみに、白井市郷土資料館では、資料を保管する封筒は二重になっています。外側は普通の中性紙封筒。中側の中性紙封筒はひとまわり小さく、両脇を切ってあり、その間に資料を挟み込んでいます。資料の出し入れをするとき、資料がこすれて傷むのを最小限にするための措置です。
予算の問題、厚みが増すことによる保存スペースの問題はありますが、資料を大事に扱うという精神をみならいたいと思います。
〈研修日:2014/05/08〉
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