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古文書修補・研修日記9

半年以上かかっている竪冊の修補も、やっと終盤にさしかかっています(…と、何度か書いているような気がします)。

今日も、一紙ごとに余分な裏打ち紙を裁断する作業から始めましたが、私の確認ミスで一進一退…。
和紙はクリーニングすると紙が伸びます。紙の歪みも修整されます。
今回の竪冊を作った当時の人はちょっと雑だった(?)ようで、和紙をちゃんと半分に折らずに製本していたようです。なので、今ちゃんとクリーニングし、和紙を正確に半分に折ると、昔の折れ山と合いません。

和紙を正確に折らないと、一紙ごとに天地の長さが変わってしまうので、最長にあわせて裁断すると、製本したときに裏打ち紙の余白が結構出て目立つことになります。私は「和紙を(ある程度)正しく折って、本来の竪冊の形に整えること」に照準をあてて和紙を折り、地の部分を裁断しました。
あきらかに昔の折れ山は合いません。多少は仕方ないのかな…と判断してしまったのですが、いくらクリーニングしても、折れ山の汚れや跡はくっきりと残ります。折れ山が変わってしまったことは一目瞭然です。

この段階になって先生に相談したところ、「ある程度」の修正は必要だけれど、あきらかに折れ山がズレすぎているところは、「直した」ことがあからさまなので、あまりよろしくない…というご指摘をうけ、ズレの大きなところだけ、もとの折れ山に折り直すことになりました。そのため、裁断してしまった「地」の部分でもズレが生じてしまったので、その部分だけ裏打ち紙を足し直し、再度裁断…自分の判断ミスで、本当に一進一退…。
今回も致命的ミスではなかったのですが、こんな調子なので、終わりそうで終わらない竪冊の修補です。

「地」の部分を裁断するとこんな感じ↓です。この状態で全紙をプレスし、少し形を整えてから、小口・天を裁断します。
縮小:裁断前
この「プレス」に小一時間かかるため、なんと、新しい資料の準備をすることになりました!

以前から、資料館の方にお願いしていたのですが、次回から「(継紙の)状モノ」を修補させていただけることになりました。
古文書調査をしていると、継ぎの部分が剥離した資料を多く目にします。それらを扱える技術を学びたいと思っていました。
今回は入門なので、前後欠・継ぎ目に文字のない、易しい資料を用意していただきました(といっても、私にとってはどの資料も難しいのですが…)。もともと継ぎも剥離しているので、入門としては取り組み易いと思います。むしろ、私がやってみたかったことにかなり近い状態です!先輩方がやっている継紙の状モノは、継ぎ目を剥がすところから始めるので難易度がかなりあがります…。

今日は、とりあえず修補の基本・①「調査」です。白井市郷土資料館では、写真のような「調査書」を用意しており、資料1点ごとに丁寧な調査記録を作成しています。
縮小:調査書
今回は紙の厚みの計測、2枚に剥離した状のそれぞれ縦×横の計測、押印や朱書の確認、破損状態の確認等々を行いました。2枚に剥離した本紙には、それぞれ表側に資料番号と枝番号をつけた和紙の紙片を貼り付けておきます。今回は2枚だけですが、複数枚の本紙を剥離したとき、順番を間違えないようにするためです。
小さな虫穴(鉄砲穴)のみの資料なので、今回はクリーニングのあと、虫損直しのみで済みそうです。

竪冊の作業が終了してから、本格的に取り組むことになりますが、一期一会の資料なので、気を引き締めて取り組みたいと思います。
《研修日:2014/6/25》
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