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古文書修補・研修日記10

今日はいよいよ、竪冊の完成を目指します!

今朝も、微妙な余白調整(裁断)から始まりました。
どこまでこだわれるか…妥協せずに厳密さを求められるか…。最後は自分との戦いです。

私の未熟な技量で、50枚もの紙を、寸分の狂いもなく同じ大きさに揃え、裁断するのは至難の業です。
…とはいっても、ちゃんと未熟な技量を補う手段があったりします。
ヤスリ
お手本を示して、修正してくださったのは先生ですが、写真のように、紙ヤスリを使って、微妙なでっぱりは直すことができます。

50枚の本紙すべてに「裏打ち紙」を貼っているので、それなりの厚みが出ます。そのため、元は単に「和綴じ」のみの状態でしたが、今回は一度「中綴じ」…こよりで仮綴じをし、それから、元の通りに「和綴じ」をすることにしました。
中綴じ①
まず、「和綴じ」する場所より1~2ミリほど内側に、「中綴じ」用の穴を開けます。
裏側に「こより」の端が出るように、「こより」を通します(写真上段)。
「こより」は裏側で結びますが、固結びではなく、こよりを二重に絡めるだけで、結びません。けれど、しっかり止まります(写真中段)。
「こより」と、穴のところをしっかりと叩き、平らにならして出来上がりです(写真下段)。表にでる「こより」は8ミリくらいの長さです。

この資料は、以前にもちょっと書きましたが、おそらく本来はちゃんとした表紙がついていたと思われますが、現在は表紙のなかに入っていたと思われる「アンコ」=入紙のみが残っている状態です。この入紙が一見すると白紙の表紙に見えますが、実は反故紙を使っており、また、本紙より一回り小さいので、表紙のなかに厚み出しとして入っていた入紙だったことが推定されます。こよりによる綴じ方ではなく、和本のように糸で綴じてあったことからも、ちゃんとした表紙が付いていたのではないかと思われます(…と、まるで自分の発見のように説明していますが、すべて横山先生の見立てです)。

冊を綴じていた糸は、途中で切れてボロボロになっていたので、新しいモノを使うことにしました。ただ、ちょっと加工して、中古糸にみえるような細工をしました。ここにも先生のこだわりが。ちなみに、白井市郷土資料館では、冊モノに使われていたこよりも、原則クリーニング・裏打ちをして再利用しています。

余談ですが、私は本来左利きで、恐ろしいほど「お裁縫」が苦手です。
ですが、和綴じは針と糸を使います。自分の不器用さを知っているだけに、修補作業にとって、「お裁縫」も避けては通れない作業の一つであることを知り、ちょっと衝撃を受けています。
だから…という訳ではありませんが(?)、和綴じは一度、やり直しをしました。できるだけ高い完成度を目指す…ここでも、自分との戦いです。

そして、昨年9月27日から始まった竪冊の修補が、本日、やっと完成しました。
完成
地味な写真ですが、完成品です。
温かい目で見守ってくださった横山先生、資料館の職員の皆さん、ボランティアスタッフの先輩方、ありがとうございました。

来週からまた、新しい古文書の修補に取り組みます。挑戦してみたかった「状モノ」です。
同じ資料は二つとありません。常に、基本技術プラス試行錯誤の応用力が求められますが、大きな山を一つ越えて、少し「何か」が見えてきたような気がします。
これからもがんばります。よろしくお願いします(来週は、都合で7月12日・土曜日に修補活動に参加します)。
《研修日:2014/07/02》
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