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古文書修補・研修日記12

通常通り、水曜日の修補活動に参加しました。
今日は、「虫損直し」を学びます。

本紙の状態が良く、破損・虫損が少ないときは「裏打ち」をしません。、クリーニングの後、破損・虫損箇所だけを直し紙(=和紙)で埋める作業=「虫損直し」をします。そのため、糊は「固糊」を少し柔らかくした程度のものを使います。水分が多すぎると和紙が水分を吸収し、乾燥するときにその場所だけ、紙が縮んでしまう場合があるからです。「裏打ち」をすると、裏打ち紙が本紙の縮みを押さえる働きがあります。虫損直しを学ぶことで、裏打ち作業の意味も改めてわかってきます。

虫損直しをする前に、クリーニングのために使っていたレーヨン紙を剥がします。
裏打ちをする資料は状態が悪い…悪いから、裏打ちをするのですが、そのため、レーヨン紙を剥がすときは、資料全体に湿りをあたえてから、慎重に剥がします。
虫損直しの場合は、資料の状態が良く、そして固糊を使うことから、レーヨン紙は乾いた状態で剥がします。

虫損直しでは、固糊、糊用の細筆、印刀、虫損直し用のプラスチックシート、直し紙(本紙と同じ程度の厚み)を用意します。右手に筆と印刀、左手に直し紙を持って、手際よく虫損直しをすることを目指します(写真↓)。
印刀の持ち方
印刀の使い方
手のモデルは横山先生ですが、実際はまだまだ手際よくなど、できません。小さな虫穴にピンポイントで直し紙をあてて、印刀で切り・貼りするのはなかなか…難しいのです。

参考までに、虫損直し(写真の虫穴は、いわゆる鉄砲穴といっています)の前と後は、写真のような感じです(↓)。
虫損直し

このあと、平らなボール紙にポリエステル紙→本紙→ポリエステル紙→ボール紙→ベニヤ板(軽めの重し代わり)をのせて、糊を乾燥させます。

今回の資料は前後欠の継ぎ紙2枚です。資料館のご配慮で、今回は継ぎ目に文字のない資料を修補させてもらいました。ご想像通りですが、継ぎ目に文字があると、それをあわせるのは至難の業です。
本紙が乾燥したら、その2枚を継ぎます。
1紙目を裏返しにし、糊代を2~3ミリほどとって、2紙目に重ねます(写真・中)。2紙目の糊代に刷毛で固糊を付けますが、1紙目を裏返しにして糊代の境目を作っているので、これは安心です。
その後、本紙の地の部分に定規などを当て、1紙目と2紙目の継ぎ目をあわせていきます(写真・右)。
紙を継ぐ
今回は、状2枚を継ぐだけで、横山先生が見本をみせてくださったため、最後の作業はものの10分ほどで終わってしまいました。私が実際に状モノを継ぐのは次々回以降となりますが、手前味噌ながら、今回修補日記で作業の流れをまとめたので、次に自分がやるときには、記憶をたぐり寄せる材料になるのでは…と思います。

来週からは、再び冊モノにとりかかります。今日も、虫損を直した資料を乾燥させる間に、冊モノのレーヨン紙を裁断する作業などを平行して行いました。スタッフの皆さんは、自分の作業状況を見据えながら、いくつかの資料を平行して作業しているのです。
《研修日:2014/07/16》
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