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古文書修補・研修日記13

新しい資料の修補に本格的に入りました。
今回は表紙・裏表紙を入れて全14丁の竪冊資料です。

前回までに、修補に入るための「調査」「解体」を済ませてあります。
修補する資料の資料表題や年代の記録、本紙の大きさ(縦・横)・紙の厚みの計測、朱書の確認などを行い、
冊モノの場合、二人組になってこより(あるいは紐)を外し、冊をばらしていきます。

そのあと、「裏打ち」をする場合はレーヨン紙を本紙の2倍の枚数、裏打ち紙を本紙の枚数だけ裁断して用意します。
今回の資料は「虫損直し」のみなので、レーヨン紙のみ28枚用意しました。

竪冊は当然ながら、1枚の和紙を半分に折って綴じたものです。ものによっては、しっかりと折れ目がついています。
それを広げて「クリーニング」していくのですが、
折れた部分(折れ山の部分)に小筆で湿り気を与えてから、作業に入ると、比較的容易に和紙を広げることができます。

折れを伸ばす

この作業をしてから、渋紙(最近は茶色のカッターマットにポリエステル紙)に本紙を置き、刷毛でたっぷりと水をかけながら、本紙のしわをのばしていきます。
たっぷりの水に本紙が浮くくらいの状態にして、ある程度しわを伸ばしてから、ポリエステル紙を乗せ、刷毛で汚れをはき出しながら、同時に、さらに本紙を伸ばしていきます。ポリエステル紙を介在させることによって、和紙を傷めることを回避できます。

今回の資料は「裏打ち」がいらない程度の、状態のよい資料なので、クリーニングも比較的スムーズに進みました。けれど、状態がよい=紙がきれい、という訳ではありません。今回の資料からも、汚れはたっぷり出ました。

今頃知ったのですが、最近、白井市郷土資料館の修補作業では、クリーニング作業のときに刷毛を2本使っているそうです。きれいな水を本紙にかけるための刷毛と、汚れた本紙に触れる(汚れを掻き出す)刷毛を使い分けているのです。
以前から、クリーニング作業ではきれいな水の入ったバケツと空のバケツ(=汚れた水を入れるためのバケツ)を二つ用意して使い分けていました。汚れが本紙に戻らないようにするためです。
ですから、刷毛も使い分けるほうがいい、ということは自明の理でした。

作業をしていると、時々混乱はしてしまいますが、よりよい作業方法を模索しながら作業している皆さんに敬意を表しつつ、私も早く作業の流れを身につけたいと思います。

今回は(?)調子がよく、1日で10枚のクリーニングができました(スタッフの皆さんにとっては当たり前の作業なのですが…)。次回は残りの本紙と「こより」のクリーニングに入る予定です。

《研修日:2014/7/30 後藤恵菜》
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