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古文書修補・研修日記16

竪冊の修補、終盤です。
まず、本紙の残り4枚を「虫損直し」しました。
そして、私にとって大きなプレッシャーであった、表紙と裏表紙の裏打ち作業をしました。
本紙は「裏打ち」をしない、という方針でしたが、裏表紙が大きく欠損しているため、表紙と裏表紙は「裏打ち」をすることになりました。

今回の竪冊は、裏表紙が大きく欠損しています。
そのため、クリーニングする際に、元の形を再現する作業をします。
縮1-2
左の写真は表紙です(念のため、裏面の画像をアップしました)。
その上にポリエステル紙を置き、裏表紙の断片を、本来あったであろう形に置きます(写真・中)。
裏表紙をポリエステルごと剥がすと、右写真のようになります。

表紙は、通常の「裏打ち」作業と同じように処置します。

裏表紙は、欠損部分に裏表紙と同じ厚みの「足し紙」をしたあと、上から「裏打ち紙」を貼ります。
大部分が欠損しているため、ほぼ本紙と同じ大きさの「足し紙」を用意します。

①茶色のカッティングボードにポリエステル紙を置き、レーヨン紙にサンドされた状態の裏表紙を、表を上にして置きます。
②その上にポリエステル紙を置き、全体に湿りを加えてから、上のポリエステル紙、レーヨン紙を剥がします。
③再度ポリエステル紙を置き、一番下のポリエステルからまとめて裏返します。
④一番上になったポリエステル紙、その下のレーヨン紙を剥がします。裏表紙の裏面が上になった状態です。
⑤全体に糊をかけ、「足し紙」を置きます(下の写真・左)。裏表紙の本紙に被さっている「足し紙」をむしりとります(下の写真・右)。全体の厚みが均等になるようにするためです。
縮2
⑥全体に糊をかけ、裏打ち紙を貼り、乾燥させます。

この、本紙に被さった「足し紙」をむしりとる作業が、とても大変でした。ピンセットで繊維を剥がしていくのですが、どこまでが「足し紙」で、どこからが「本紙」なのか、試し試しむしっていくのです。「足し紙」と本紙が重なっている部分は厚みが増してしまうので、できるだけ際まで「足し紙」をむしります。慎重さが要求され、気の張る作業でした。

表紙・裏表紙を乾燥させているあいだに、「こより」の用意と、本紙の、虫損直しではみ出した「直し紙」をカットする作業をしました。今回の竪冊は、「こより」が1本欠損しているので、修補した「こより」と同じ厚みの和紙を用意しました。
次回はいよいよ製本。完成を目指します。

〈研修日:2014/8/27 後藤恵菜〉
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