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古文書修補・研修日記19

前回は、状モノ(状2枚の継紙)を裏打ちしました。
今日は、それをつないで、完成させます。

継ぎ目の部分に虫損があります。裏から虫損を直してしまうと、継ぎ目印が見えなくなってしまうので、そこは表から虫損直しをします(写真右)。この場合、本紙が乾燥した状態で、固糊と印刀を使って虫損を埋める作業をします。

ただ、今回の資料は本紙2枚なので、最初に本紙を継ぐことになりました。

本紙を継ぐとき、継ぎ目が上になる方は、余分な裏打ち紙を本紙ギリギリに切ります(写真左)。本紙は必ずしも直角に裁断されているわけではないので、本紙にあわせて、小刻みに余分を切っていきます。こういう場合は、長いアクリル定規などを使うより、透けない、短めの定規を使った方がいいようです。写真に写っているのは、普段「コツ」と呼んでいる木製の道具です。「切型(きりかた)」などと呼ぶようです。本の直角を測ったり、角を整えたりするときに使います。
本紙を継ぐとき下になる方は、糊代分を5ミリほど残しておきます。

仕上げ

実は、朝一番にショッキングな発見がありました。裏打ちした資料の「裏面」を確認したときでした。

前回は、資料を保護しつつ、継ぎ目印がみえるように「雁皮紙(がんぴし)」を貼り、その上に裏打ち紙を貼って、継ぎ目印のところだけ、裏打ち紙をむしりとる作業をしました。
今日、乾燥した資料を確認してみると、1枚はちゃんと雁皮紙が残った状態(写真左の左側)だったのに、もう1枚は、裏打ち紙と一緒に雁皮紙も剥がしてしまっていた(写真左の右側)ことがわかりました。
前回は、本紙が濡れた状態だったので、気がつかなかったのですが、非常にがっかりでした。

資料館では、本紙の裏にある文字や印には、必ずしも雁皮紙を使っている訳ではないそうで、多くは、該当部分の裏打ち紙をむしり取るのみで終了にしているようです。今回は私の研修の一環として、雁皮紙を使う場合…という経験をさせてくださったのですが、最終的には、「本紙の状態が悪くない」ので、半分だけ雁皮紙が貼ってある状態でもよい、ということにしていただきました(残念な見本として残りますが…写真右)。
継ぎ目印

本紙を継いだ状態が下の写真です。この後、天地・左右の余分な裏打ち紙をカットして、終了となります。
回りを切る
2枚の本紙は、ぴったり同じ大きさの和紙、というわけではありません。
たった2枚の和紙ですら、継ぎ目印に合わせて和紙をつないでみると、微妙に縦の長さが違っていることがわかります。天の部分には足し紙をしておいたのですが、手間を惜しまず、地の部分にも足し紙をしておくべきでした。

継ぐ紙の枚数が多くなればなるほど、紙をつないだときの歪みがでてくる可能性が高くなるそうです。そのため、状モノを裏打ちする場合は、天地に足し紙をしたうえで裏打ち紙をするほうがよい、ということがわかりました。

午後から新しい資料(状2枚の継紙)に入ったのですが、午前の経験を活かし、本紙には天地と、最初の縦の部分に足し紙をしました(写真↓)。
次の資料(裏打ち)

今日はどうも段取りが悪く、反省することしきりの一日でした。
新しくとりかかった資料も、私にとってはハードルの高い(=ありがたい)資料でした。
詳しくは、次回の作業とともにご紹介することにします。

初心忘るべからず、と深く反省した一日でした。
〈研修日:2014/09/17 後藤恵菜〉
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